短編

□風邪
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『げほっげほっ、ごほっ、げほ』

「「「「……」」」」

『ごほごほっ!』

大石「お岩さんさん、無理しなくていいんだよ」

『いえいえ、大丈夫ですから…気にしないで下さい』

大石「でも…」

『げほっげほっだ、大丈夫ですからっ…あっ、ドリンクまだ作っていませんでした!作ってきますねっ』

乾「大丈夫だ。ドリンクの心配は必要ない。すでに俺がいくつか作っている」

『そうですか…あっ、そう言えばボールの点検もあるんでしたっ!』

不二「そのことについては1年生がしてくれているよ」

『あ、えっと…スコアの…』

手塚「間に合っている」

『あ、あの…』

大石「な、少し休んだらどうだ?」

『…じゃあ、お言葉に甘えて』






──…






『とは言ったものの…何をどう休んだらいいんだろう?』




部室の中1人でいても寂しいなぁ

外の賑やかな声がその寂しさをさらに加速させていく感じ…




『ごほっごほっ!!』




ゔぅ゙ー、さすがにこれは休んで正解だったのかも知れないけど
今は誰でもいいから相手をしてくれないだろうか


寂しすぎて泣きそうです




ガチャッ、




願いが届いたのか、誰かが入ってきた




リョーマ「何してんの、こんな所で…」

『あ、リョーm、げほっごほっ!!……ちょっと休んでるんだ』

「風邪でもあんの?」

『たぶん…でもこれくらいへーきだし』

「ふーん」




あれ、なんだろう
寂しさが消えたかも
リョーマがいてくれるからかな
あーー、どうしよう。涙でそう




「そんなに辛いの?」

『ん、んー、まぁ…』

「超涙目じゃん」




うわ、恥ずかしい
涙目なんて、きっと不細工な顔になっているに違いない




『ゔー、げほっ!』

「ねぇ、」

『ゔー?』

「手っ取り早く風邪が治る方法あるけど…知りたい?」

『ゔ、ぅ゙ん』

「ん、分かった。それじゃあ…」

『んっ!!んー』

「んっ、」




ある程度予想はついていたが、まさか本当にキスするとは…しかし、そろそろキツくなってきた
喉が痛い




『…ふぁ、…んっ、…はぁ、』

「ん、顔真っ赤」

『はぁ、リョーマのせいだよ。風邪がひどくなったらゲンコツするからね』

「はいはい。じゃあ俺、練習に戻るから」

『う、うん…』




そう言えば、リョーマは何しにきたんだろう
まさか私を心配して?


なーんてね
そんなことあるわけないって…






END
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