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□ある男のある日常の一コマ
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昼過ぎ。気だるい身体を起こす。

昼とか夜とか、時間の感覚もわからなくなっちまう。暗くなる頃に起きて明るくなってから寝ていた。
普通なんて俺にとっては何の関係もないし、意味の無いこと。好きな時に起きて好きな時に寝る。

伸びをしてから寝転びまた二度寝の準備をしていると、ふと昨日の依頼の事を思い出した。

依頼終わりの帰り道。身体も服もべっとりと血で汚れていた。生臭い臭いが鼻につく。気持ち悪い。早くシャワーを浴びたい。
乾いた風が吹く廃れた街を足早に歩いた。

ようやく家に着いてシャワーを浴びた。家に着いたら疲れがどっと出てそのまま寝ちまいたかったが、やはり汚ない身体のままじゃ眠れない。ベッドも汚れちまう。
風呂を出て冷蔵庫のペットボトルに入った冷たい水を飲む。

ため息。やっと一息つけた。

上半身裸で濡れた髪のままベッドに倒れ込む。もう今日は疲れた。洗濯や荷物の整理は明日しよう。明日はなんの予定もない。

空が明るくなってきた。閉めたカーテンから光が僅かに漏れている。きっと起きた頃には暗くなっているだろう。そんなことをぼんやり考えながら、俺はゆっくりと意識を手放した…





日記から転載。
20150616

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