Harly potter

□コウモリ
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 箪笥の中の生き物は「真似妖怪ボガート」という妖怪だと教えられるとルーピンはそれに抗う呪文を唱えた。

リディクラス

皆もそれに続いて同じ言葉を唱える。

リディクラス

ルナにとっては初めて習う呪文。

こうして口にするだけでもワクワクしてしまう。


するとルーピンは近くにいたネビルを呼ぶと怖いものを想像するように言った。

「ネビル、怖いものを言ってごらん。」

「スネイプ先生…。」 

もごもごとそう答えればその場にいた生徒はクスクスと笑う。

「ねぇスネイプ先生って誰?」

「魔法薬学の教師だよ。陰険でまるで育ちすぎたコウモリみたいな奴なんだ。」

みんな嫌いさ。とロンが苦々しい顔で吐き捨てる。

そんな先生がいるのかとルナはここに来て初めて不安を覚えた。

すると古そうな音を立てて目の前の箪笥が開き、皆の視線がそちらに集中する。

中からは鉤鼻で、肩まである黒髪を真ん中で分けた 黒い重たそうなローブをまとった男が出てきた。

ロンの言う育ちすぎたコウモリはあながち分かりやすい例えだったのかもしれない。

「さぁネビル杖を構えるんだ。」

ジリジリと近寄ってくるスネイプにネビルはうつむき、怯えながらもルーピンに指示された通り実祖母のルックスを想像した。

「リ、リディクラス!」

するとスネイプ(ボガート)の着ていた服は、ふわりと鮮やかなエメラルド色のコートに変わり赤いハントバッグを持ち、大きな帽子に狐のファーを首に巻いているという姿になった。

これには教室内の皆は笑うしかなくゲラゲラという笑い声が響き、ボガートは戸惑っているようだ。

ルーピンは楽しそうにノリノリの音楽をかけると、皆をボガートと対面させる。

そのため、一人の生徒がボガートと向き合いスネイプは消えてしまった。

(魔法薬学か…確かその授業明日に入ってたなぁ。)

ルナは後ろの方に並びながら消えたスネイプを思い出す。

(そんなに悪い人には見えなかったけど)

そんなことを考えながら。
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