Harly potter
□煩
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ここ最近、背負う翼の不調もあり体調が優れなかったルナだがマダムポンフリーの熱心な看病のお陰か、羽も痛みを感じずに広げられるようになってきた。
飛ぶことはまだ許されていないが着々と回復に向かっている。しかしこれはマダムポンフリーだけのお陰ではない、スネイプの協力もあってこそだ。
ルナはスネイプの薬を飲む度に力が湧いてくるのを感じていたし、マダムポンフリーから処方されていたものとは比べ物にならない程だった。
薬の入った瓶を直接渡してくれたのは必要の部屋でのあの一回だけで、あとはルナのフクロウが届けてくれていたがそれでも感謝をすることに変わりはない。
今日も夕食の席に届けられた薬を見てスネイプに笑顔を送るが、一瞥されただけで他のアクションは無し。
(何かお礼をしたいけど受け取ってくれないんだろうなぁ)
感謝の気持ちを伝えてもぶっきらぼうな返事が返ってくる様しか想像できないルナは苦笑いを浮かべる。
「…君ほんとにその薬スネイプからもらってるの?あの…スネイプだよ?」
ロンが疑わしい様子で苦々しく質問してきたがこれも何度めか、
「本当だよ。みんなが思ってる程悪い先生じゃないし、むしろ優しくて良い人だと思う。」
なにかこの薬のお返しができればな。と呟くルナを見て、ハリーとハーマイオニーは顔を見合わせた。
「はは、成績をうんと下げればあいつ喜ぶぜ。ははは、」
冗談を飛ばすロンだがそれに対してハーマイオニーが睨みながらため息を吐き、またいつものプチ喧嘩が始まる。仲の良いことだとハリーとルナは気にせずにパイにかじりつく。
「明日はクディッチの試合だね。ハリー頑張ってね、私初めて見るからすごく楽しみにしてる。」
ハリーは口にパイを含んだまま笑顔で頷き、負けられないな。と意気込んだが明日の天気はきっと雨だろう。
ハリーは雨が強く降る外を見つめ、嫌な予感がよぎったが気にしないふりをしてまたルナの方に振り返った。