Harly potter
□黒翼の少女
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ハリー達が3年生になり、シリウスブラックの件以外はいつも通りに新学期の宴が始まろうとしていた。
皆、空腹を早く満たしたいと言わんばかりにいそいそと新一年生を迎える。
新しい仲間と宴を始めるぞ。そう思っていた皆の間を、ダンブルドアが放った金のコップを叩く音が割いた。
「宴を始める前に、もうひとり、新しい仲間を紹介しようかの。」
ざわつく広間内、一年生は全員組分けが終わったはず。
広間の巨大な扉が開く音で皆その方向に振り返れば、マクゴナガルに連れられた一人の少女が目に入った。
少女。と形容するには異形なその姿は、陶器のように白い肌に鮮やかすぎる赤い瞳、闇を流したような長い髪と背中には骨ばった真っ黒な羽を背負っている。
その姿に皆目を奪われた。
聞いただけでは恐ろしいその出で立ちは、美しく、妖艶で見た者の時間を止める程だ。
「すっげぇ…悪魔族だぜ。僕初めて見たよ。」
「悪魔族ってなんだい?」
ロンが驚きの溜め息を吐き、ハリーがその言葉に食いつく。
「悪魔族は人間と幻獣のハーフみたいな種族で、気高い純血の闇の一族なの。確か…4年前に絶滅したはずなんだけど…」
博識のハーマイオニーがロンに代わって説明をする。
そう、悪魔族は既に絶滅しているはずだった。この話は魔法使いなら全員知っていることであり、生き残りなどいるはずがないのだ。
この少女の登場までは、