想い
□第2章 傷を癒せるように
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4人で、校庭に出る。
私の隣にカルマ君が座り、私の向かいにカエデちゃん、その隣に渚君となるように座った。
A組の頃は、1人ずつ食べてたからなぁ…
皆で昼食を食べたことのなかった私にとって、新鮮で楽しい時間となった。
「ところでさー、ゆかりちゃん、どうして停学なんかになってたの?」
カエデちゃんが、ふと思い出したように質問してきた。
渚君も、真剣な表情で私を見ている。
「えっと…」
どうしよう…。あまり言いたくない。
視線を泳がすように、カルマ君を見た。
カルマ君は、ただ私を見た。
なにも言わずに、私の言葉を待っていた。
その瞬間…
ガンッ‼
急に頭に鈍い痛みが走り、視界がぶれた。
「園田ちゃんっ!?」
痛む頭に、カルマ君の声が響く。
「ごめんっ‼当たっちゃった!?」
グローブをはめた黒髪の少年が、慌てた様子で走ってきた。
「だ…大丈夫。ちょっと当たっただけだから。」
心配かけないように、微笑みながら言う。これくらい、すぐ落ち着くだろう。気は失ってないし。
「ダメだよ、無理しちゃ。」
カルマ君が、私の手をとって立たせる。
「あっちの沢で、少し冷やしてこよう。」
カルマ君は、私の手を握ったまま少し早足で歩きだした。
後ろを見ると、3人が心配そうな顔をして私を見ていた。
カエデちゃんなんか、泣きそうになっていた。
私は、3人に向かって「大丈夫」と口を動かし、水の流れる音のする方へ、カルマ君と向かった。