Story

□キャラバランス
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あるイベントにて

本番3分前


舞台袖に待機し、各々置き台から自分のマイクを取る

〈あれ?僕のマイク……〉

タツキきょろきょろ

〈ん?そこのやつはちげーの?〉

置き台に残った2本のマイクを指差すアキラ

〈うん、これは違うのシールの色が…
 ウィトっちと…るーくんのだ〉

2本のマイクの印を確認し呟くタツキ

《えっ、うそ!》

奥の舞台裏でスタッフと最終確認をしていた類が
タツキの声に気付いて慌てて駆け寄ってくる

《じゃあこれがたつき先輩のかもっ》

類の差し出したマイクを見て
にっこり笑うタツキ

〈あ〜それだそれだ、黄色の印ついてる〜〉

《うわーごめんなさいっ》

勢いよく頭を下げる類

〈いいよいいよ全然大丈夫!〉

〈珍しいですねマイク間違えるなんて〉

〈ここ袖のライト弱めだからな〜見えづらかったか?〉

《あ〜実は今日…〈スタンバイお願いしまーす〉

苦笑いで類が言いかけた言葉は
スタッフの声に遮られた

〈あっ危ない危ない!マイク忘れてた〉

〈パクはいつも通りだな〉

ふっと困ったように笑う先生

〈え?どうゆうことですか?〉

〈なんでもないよ。よし、いくぞっ〉

キャーーーーー!!!

大歓声に迎えられ登場するメンバーたち

〈いぇーーい!ぃやっふーい!〉

〈ふぅーふぅーー!〉

〈パクもタツキもテンション高いねぇ〉

パク、タツキが勢いよくステージ中央まで走り
それに続いて先生アキラ類泉も中央へ向かう

〈ほんとお前らはさ〜、そうやって
 すーぐはしゃぐんだから〉

〈アキラ先輩だって朝から楽屋でうるさかったくせにっww〉

〈ふふ、そうだそうだーww〉

〈そうだよ何だよめっちゃやる気満々だけどぉ!?〉

会場から笑いがおきる

《……わっ》

〈ちょっ…〉

マイクにこそ乗らなかったものの、類と泉の声を
聞いたメンバーが一斉に2人を振り向く

と、類の腕を掴み少し驚いた顔の泉

ギャーーーーーー!!

会場からは悲鳴にも近い黄色い歓声

〈え、どうしたの2人なにしてんの?〉

《…ごめんなさい奏先輩……》

先生が声をかけると顔を赤くしながら泉に謝る類

〈大丈夫ですか?
 目の前で急につまずくのでびっくりしました〉

会場から、大丈夫ーーー?かわいーーー!の声

〈ほんっと出だし早々やってくれるようちの類は〉

〈転ばなくてよかった〜類は危なっかしいとこあるからなあ〉

やれやれ、と優しく笑うアキラとパク

〈さすが奏くん、助け方もかっこいいっ〉

タツキの言葉に会場もかっこいーー!と盛り上がる

〈やっぱ類は登場のとき1番後ろにしちゃだめだね
 舞台袖でひとりで転んで、あれ?類どこいった!
 ってなっちゃいそうww〉

〈そうっすよねww今日みたいに
 類の後ろは誰かつけとかないと〉

会場も笑いに包まれる

《いやほんとごめんなさいww
 気を付けまーす…》


パフォーマンスが終わり舞台奥の水を飲むメンバー

〈いやぁーあっちーな今日も!〉

〈ほんとだね〜あついあついっ〉

手でパタパタ顔をあおぐタツキ
会場から、かわいーーー!の声

〈ほんと可愛いなぁタツキ〜〉

〈んふふ、もう恥ずかしいっ…〉

いちゃつく先生とタツキに沸く会場

〈で、パクと類は何してるんですか?〉

水を手に何やら話していてなかなか戻らない2人

〈なに遊んでんだよ〜〉

〈違うんで…あっマイク忘れてた……
 違うんですよぉ!類がぁ!〉

会場から笑いがおきる

〈マイクっwww〉

ハマる先生

〈楽屋でしゃべってんじゃねーんだから
 ちゃんとマイク使いなさいww〉

アキラの声に泉も思わず笑いを堪える

〈すいませんすいませんwwついうっかり!〉

〈それでるーくんがどうしたの〜?〉

タツキに聞かれて、
類の持ったペットボトルを指差すパク

〈類が人の水飲むんですぅー!
 ちゃんとキャップに名前かいてるのに〜
 僕のだけ置いてないのかと思って
 めっちゃ焦ってたら類が飲んでたんですよ!〉

《だからごめんって〜》

ごめんごめん、とパクの肩をたたく類

〈今日お前どーしたの?なんだ構ってほしいの?〉

《ちがうから!》

キャーーー!

《ちょ!違うよ?みんな!》

〈も〜そんなことしなくても先生が構ってあげるのに〉

ギャーーーーーー!!

《だから違うんだって〜!もー先生っ》

赤い顔で反論する類

〈もうほんとのこと言ったら?〉

やれやれ、な様子で言う泉

〈ほんとのこと?〉

〈理由があるの?〉

パクとタツキが首をかしげる

《え!奏先輩わかってたんですか?》

〈本番前に言おうとしてましたよね?
 今やっと分かりました〉

ざわつく会場

〈え!なになに!どーゆうこと?〉

ハテナなアキラ

《実は今日コンタクトどうしても入らなくて…
 裸眼だからよく見えないんです…》

〈えっ、そうなの?じゃあ結構見えてないんじゃない?〉

びっくりな先生

《ダンスは練習のとき裸眼が多いから見えなくても
 踊れるし大丈夫って思ってたんですけど……
 他が色々だめでしたww》

何故か盛り上がる会場

〈なんだそうだったんだ!コンタクト無理なら
 メガネかければよかったのに〜〉

パクの言葉に一気にざわつく会場

〈ほんとだよ〜
 メイトちゃんもメガネ類見たかったよなぁ?〉

アキラの問いかけに、みたーーーーい!!の声

《えーだめだよ!奏先輩がいるのに!!
 メガネキャラは1人って決まってるのっ》

何故かアツくなる類に笑いがおきる会場

〈なんですかそれっ…〉

思わず笑いがこぼれる泉

〈え〜でもるーくんだって奏くんに負けないくらい
 頭いいんだし、いいと思うな〜知的キャラ!〉

うれしそうなタツキ

《だーめなんですー!
 奏先輩ひとりで十分なんですインテリは!!》

〈類アツいねなんかww〉

クスクス楽しそうな先生

〈えーじゃなによ、類は頭良いのに
 バカっぽくいくってこと?〉

〈…類、本物のアキラやパクに失礼ですよ〉

アキラの問いかけに続きすかさず泉が言う

〈そうだそうだ!っておぉい!!ww〉

〈本物ってなんですかぁ!
 本物のバカってことですかぁ!www〉

コラー!と声を張り上げるアキラとパクに
会場は一段と沸いた


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