Story

□赤推し?
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ある日の楽屋にて
※アキラ目線


じー

《……》

じー

《……》

じー

本を読む類の正面に座って、頬杖をついて
黙ってじーっと類の顔を見つめてみる

《アキラ先輩?僕なんか顔についてる?》

〈ついてない〉

今日もキュートな寝癖はついてるけどな、うん

《あぁそう…》

じー

お、困った顔してる

《…じゃあなんですか?》

〈いやー類は結局さ、誰推しなわけ?〉

《えーけーびーですか?ん〜そうだなあ…》

なんだそんなことかって顔してから、
腕組みして真剣に悩みだす類

なんでそうなるかな〜

〈ちがうちがうちがう〉

《じゃあA・RA・SHI?僕はね〜》

だからなんでそうなんだよっ

〈だからちげーっつの〉

《……ん?》

類の、この首かしげる仕草いいよなあ〜

〈俺らの話〉

《アルスってこと?》

眉間にシワよってるwwなんだその顔

〈そう、結局のところ誰推しなの〉

《推しって言われてもなぁ……ん〜じゃあ箱で》

〈なにそれ〉

《みんなみんな》

〈却下〉

まあこんなのは予想通りだけど

《え〜なんで!ほんとだよ?》

〈お前すぐそうやって逃げるかんな〜〉

《別に逃げてないし》

あ、目そらした

〈じゃあ誰?〉

俺が勢いよく身を乗り出して、類の顔を
至近距離で覗き込むとみるみる赤くなる

自分だって普段は散々、まったく予想外のこと
言ったりやったり無意識に周りをたじたじにさせてんのに
いざこうゆうことされるといっつもこうなるな〜

まあこれも予想通り

《ちか…っ!……じゃあコンちゃん!コンちゃん推し!》

やけくそな感じでコンちゃんコンちゃんって繰り返す類

そうきたかww

〈ふーん…なんでコンちゃん?どこが好きなの?〉

《ふわふわだしいい匂いする…し》

語尾だんだん弱くなってるし
ずっと下向いてるし

〈それだけ?てか目そらすな〉

《アキラ先輩が近いからで…ってわぁっ》

〈うおっ〉

目そらすなとは言ったけど、急に勢いよく
顔あげられると色々やばかった危なかった〜…

いやでもどうせならあと2センチ…!くっそ〜

……まそれはいいとして

《て、てゆうか!急になに?
 メンバーなんだから推しとかそんなの考えたことないよ》

〈だから今考えて〉

《も〜どうしたのアキラ先輩》

〈ま、俺は類だけど〉

《えっ!僕?》

〈そう。だから……〉

1回離れた距離をまたつめて類の耳元に口を寄せた

〈お前も俺だろ?〉

《……っ!》

自分でも、あー今にやけてんなーって思いながら
ゆっくり離れると類が自分の耳元押さえて
さっきよりもっと真っ赤になってる

《なっ!なっ、なんで急にいい声使うのっ!?》

〈あれ?いい声だった?ありがとありがと〉

《〜〜〜!》

声にならない声だしながら睨んでくるけど
全然こわくないしむしろ可愛いな〜ってなるんだって

ほんと分かってねーなー類は

〈てかなにその反応?イエスってことにすんぞ〉

《し、しらないっ》

あ〜ぷいってされちゃった
ま、なかなかいい反応だったし…今日はここらへんで引いてやるか

類は急にどうしたの?って言うけど、別に俺の中では
急でもなんでもねーしずっと思ってることだ

まあでも俺だって、そりゃそこそこ
勝ち目があるからやってるわけで……

次くらいはいい加減、類の口から
ちゃんと聞き出してやろーっと

〈おーい類ー〉

《だからしらないってばっ》

〈シュークリーム買ってきたんだけど、食う?〉

《!!食う〜〜っ》

〈こら、ちゃんと食べるって言いなさい〉

こつんっ

《あいてっ》

なかなか手強そうだけど…
まっ、その方が燃えるってもんだろ


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