Story
□ひみつのおやすみ
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ある日の夜中
※タツキ目線
am2:39
[椎名 類：もうねた]
[椎名 類：？]
am2:43
[椎名 類：おきちゃた]
[椎名 類：暗いとこ類1人だけになっちゃって]
[椎名 類：誰もいないくて]
[椎名 類：よんでもこなかった]
ついゲームに夢中になってて
そろそろ寝なきゃと思ってベッドに入ったら
枕元の携帯がチカチカしてるのに気づいた
みてみるとるーくんからのメッセージ
でもなんか…いつもと雰囲気がちがう
まず、何度いいよって言ってもるーくんは
僕にはタメ口使ってくれないし
いつもは自分のことを、類なんて
名前で呼んだりしない
それにしっかりしてるるーくんにしては
文もなんだかぎこちない感じだし…
ちょっと寝ぼけてる？
うーん…きっとこれ、怖い夢みて
目が覚めちゃったってことだよね
心配だしとにかく返信しよう
[大丈夫？怖い夢みたの？]
[椎名 類：大丈夫じゃない]
[椎名 類：こわい]
なんか…可愛い…
甘えん坊というか子供みたいというか
でも、やっぱりいつもの僕に対しての
口調じゃないからきっと誰かと
間違えて連絡してきたのかな…
誰と間違えてるんだろう
るーくんもこんなに子供みたいに
甘えられる存在があるんだ…
それが僕じゃないことにちょっとだけ悲しくなる
[大丈夫。夢だよ]
[呼んでも誰も来ないなんてありえないもん]
[類が呼んだらみんな飛んでいくよ！]
るーくんが僕に間違って送ってるって
気付いちゃわないように類って呼び方にしてみた
なんかちょっとだけ、照れちゃうな…
別に初めて呼んだ訳じゃないし！
な、馴れてないだけだけどっ
[椎名 類：みんな？]
[椎名 類：だれ？]
[類にはアルスのみんながいるでしょ？]
[椎名 類：とんでくるの？]
[どこでも飛んでっちゃうよ]
[椎名 類：ヒーローみたい]
[そう、類を守るヒーローだよ]
[だから安心して]
[椎名 類：類だけのヒーロー？]
[もちろん]
これがギャップ萌えってやつだ…！！
ほんと、ちっちゃい子みたいで可愛い
もっとこんな風に甘えてくれていいのに
[椎名 類：眠い]
[椎名 類：くなってきた]
唐突だなぁww
でも良かった
もう怖くなくなったってことだよね
なんだかレアなるーくんみれちゃったな〜
今日は夜更かししてて良かったかも
[眠れそうで良かった]
[椎名 類：も寝ちゃう？]
[類が寝るまで起きてるよ]
寝ぼけてるとるーくんってこんなに
甘えん坊さんになるのかな
…これから毎日モーニングコールしちゃおうかな
[椎名 類：ありがとだいすき]
…………え、だ、だいすき！？
ほんとに誰に送ってるつもりなの！？
まるで彼氏みたいな…
いやいやいやさすがにそれはないよねっ
だってるーくんいないでしょ彼氏
いやいないの？あんなに可愛いのに？
でもそんなの聞いたことないし
ていうか考えたこともなかった
うそ、じゃあ彼氏に送ってると思ってる？
だからあんなに甘えん坊なの？
るーくんに、か、彼氏……
そんなの…どうしよう僕
いやどうもできないんだけど
でも…応援……しなきゃだよね……
るーくんに大事な人がいるんだもん
でも…でもやっぱり、……やだ
やだやだやだや…[椎名 類：おやすみお母さん]
…………お母さん…？
お母さん、と勘違いしてるってこと…？
…なぁんだ…お母さんか…良かったぁ……
はぁ〜〜なんか…一気に眠くなっちゃった……
[僕もだいすきだよ。おやすみ]
ー朝ー
Prrrrrrr…Prrrrrrr
ん〜電話…？誰だろう…
〈……はぁい〉
《あっ！あの！タツキ先輩、あの…
夜中の、あれ…ご、ごめんなさいっ
タツキ先輩に送ってるって全然気付かなくて！》
〈あ〜るーくん！おはよ〜〉
《お、おはようございます…》
〈あれからちゃんと眠れた？怖い夢見なかった？〉
《はい…おかげさまで……》
〈んふふ〜るーくん可愛かったなぁ〜〉
《あの、ほんとに、遅い時間にごめんなさい……
しかもあんな子供みたいなことで…
実は怖い夢見たこと以外あんまり
覚えてなくて、多分寝ぼけてて…》
〈やっぱり寝ぼけてたんだね
いいよいいよ〜るーくんの甘えん坊な
ところ見れたしほんと可愛かったから〉
《可愛くないですあんなの！》
〈あっ、もちろんいつものるーくんも
すっごく可愛いよ？〉
《いや別にそういうことじゃなくて！》
〈みんなには秘密にしといてあげるね〉
《………………お願いします……》
〈んふふ、はーい！じゃあまた後でね〉
《ほんとすみませんでした
…はい、また練習で！》
みんなに内緒にしとくのは
るーくんのためもあるけど……
どっちかっていうと僕が、僕とるーくん
だけの秘密にしときたいんだよねっ