Story

□突然のべた褒め
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コスメンにて

先生類泉アキラ

〈ダンス覚えるの一番早いの誰?
 ってコメントきてるよ〉

《奏先輩でしょ》

〈いやぁー先生は類だと思うな〉

《えーうそーだって奏先輩めっちゃ早いですよ》

〈あーどっちかなー
 確かにね2人とも早えーわ〉

〈おれも類だと思いますね
 なんか類はいつ見ても完成形なんですよ〉

〈あ!!分かるそれめっちゃ分かる!〉

〈確かに先生も類の練習過程って
 なっかなか見ないかもしれない
 どういう練習してるの?いっつも〉

《え!別に普通ですよー
 先生が踊って見せてくれるやつを
 動画とって、それをずーっと見てます
 とにかく見て覚えてるかなぁ》

〈あー見てるなよく
 それってさ、いっぱい見て、はい覚えた!
 ってなってから動くの?〉

《そうですそうです》

〈頭に完全に入れてから初めて
 体動かすんですね
 だから途中経過がないんだ……〉

〈それすんごくねっ!?普通じゃねーよそれは!
 ほら、天才!ってめっちゃコメントきてる
 しかも類は覚えてくんの超早い
 のにいっちばん練習してる!〉

〈類はまさに努力家って感じですね〉

《え、そ、そんなんじゃないですよ》

〈泉の言う通りだなー
 類は確かに才能を持った天才だけど
 それ以上にすっごい努力してると思うよ
 人の何倍もフリ見て叩き込んで
 完全に覚えたフリをまた何十回も
 踊り込んでるでしょ?いっつも
 すごいよ類は…ほんとえらい
 先生尊敬しちゃうね〉

静かに頷く泉

《何ですか今日……そんな…っ…
 褒めて…僕誕生日じゃないですよっ》

〈え、ちょっと類泣いてる?www〉

《は、はあ!?泣いてないですっ っ!!》

類の必死すぎる否定に思わず
口元を抑え笑いを堪える泉と
堪えきれていないアキラ

〈はいはい、泣いてないな?
 泣いてない泣いてない〉

先生が緩みきった顔で小さい子を
なだめるように類の頭ぽんぽん

《ちょ!違う!!
 ほ、ほんとに泣いてないです!》

〈おっけおっけ
 わかった泣いてないな?
 わかったからwww〉

《〜〜〜〜アキラ先輩のばかぁ!!!》


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