Dream

□ 野生児少女
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今日はネイバーが全然来ない

ーー暇。

そう呟いて静かな警戒区域内を散歩していた
すでに日は暮れている

壊れた家、折れた電柱、瓦礫の山
人っこ一人いないのが心地よかった

皆からすると、あすふぁるとって地面が暑くて嫌みたいだけど


先日手に入れた新たな武器
スコーピオン と 名前が呼ばれなくてわかんないけど身体にフィットする中型の銃

さすがに森で試すと皆が怯えるから街に出てきたのに、ネイバーが来ないなんて、、


「ホント、ヒマ」


スコーピオンを取り出し、振り回す

もう少し重たいのが良いなぁ
いや、攻撃力上げれないかな...
いっそのことこれの仕組みも知りたいな



「、あれ」


首を傾げた
パタパタと可愛らしい足音が聞こえたからだ

すぐあとにいつもの肌寒さを感じ、気分を高揚させた


「もしかして新しいネイバー!?」


駆け出す

街灯の無い町と森の暗さに大差はなく、藍歌はためらうことなく進んだ



耳が新しい音を拾う



バチバチとはじくようなゲートの開く音
しかも頭上に、、

なんという幸運!
さあ早く来い!!


「モールモッド2体か」


ま、弱点はあの目玉に変わりない

飛ぶ距離、力は強い
されど軽やかな音のみを発し
手にしていたスコーピオンで奴がこちらを向く前に片側の足を切り落とした

さすが、片足あればまだ動けるようだ


ーーパタパタ

またあの足音が聞こえた
ダメージのないもう一匹がそちらに向かう

近くの塀に上り、片足モール(略した)がこちわに突っ込んできたところを避け、背中に突き刺す
そのまま目玉のある顔もろとも切った


「もう一匹どこかなー」


家の破壊音、あそこか

口角を上げて、笑った













陰から見守っていた小さな猫は藍歌の変わりようにため息をつき、将来を心配した

彼女をボーダーに連れて行くべきか、と

彼女が居なければ、、藍歌中心に生きてきた自分たちが暮らすのが大変になる事実を思い出し、またため息をついた



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