Harry Potter 短編集

□さりげない優しさ。(リドル甘)
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...また寝てしまった。
私はよく、談話室のソファーに座って本を読む。部屋でも読めるが、部屋のほうが少し寒い。そして、リドルにも会えない。

今みたいに、談話室のソファーでいつの間にか寝てしまっている、なんてことが度々ある。

すると何処からか声が聞こえた。


「やっと起きたか。レイ、また寝てたよ」


どうやらその声の主は、私の後ろにいるようだ。
振り向いたりはしない、というより背もたれに邪魔されて出来ない。

ただ、足音は聞こえるため、此方に近づいて来ているのが分かった。


「...全く。君の此処で寝る癖、直したほうが良いよって前にも言ったのに。風邪ひくよ?」


そう耳元で囁かれた。
一瞬、囁かれたことに驚いてしまった。

リドル、ドキドキが止まらないです。
どうしてくれるんですか。もう。


「ん...ごめん。気づいたら寝ちゃってた」

「うん、知ってる。ずっと見ていたからね」


私たちは、世に言う"恋人"という関係にある。
あまり会話はしないけれど。
会話が無くても、ただ貴方のそばに居られれば、それで良いの。


起きて気づいた。

私に掛けられているローブ。
貴方が掛けてくれたのよね。

口では風邪をひくから、と言っているけれど、風邪をひかないようにと保温魔法をかけてくれたことも知ってる。


「リドル、ありがとう」



闇の帝王としての貴方も、今の貴方も、どちらもリドルであることに変わりはない。


どちらの貴方もさりげなく優しくて、どこか寂しそうで...。
でも、そんな貴方が大好きよ。







ーFinー

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