有閑倶楽部

□第4話
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美童は、いつものように学園内を歩く。
すると、その姿を一目見ようと、多くの女生徒が集まったではないか。


グランマニエ様、と黄色い歓声に美童はウィンクで返した。


その様子に、私たちは、いつものことかと呆れながら見ていたのだった。



「お前、何ニヤニヤしてんの?」

「いや、注目されるのって快感だなって」

「...相変わらずのナルシストぶりですね」



私たちと合流し、校舎へと向かう。

すると、可憐が皆に問いかけた。


「今夜、うちで20周年記念のパーティーがあるんだけど、みんな来ない?」


その言葉に、すかさず悠理は、美味しいものは出るのかと訊いていた。


可憐はまぁ、そりゃあねと返す。
その返事を聞いた悠理は、絶対行くと即答したのだった。


「楽しそうだから、私も行こうかな」


悠理が皆に、みんなも行くだろと聞いていた。


「そうですわね」

「パーティーか〜!また素敵な女性と巡り会っちゃうのか。困ったなぁ。こないだだって...」


ぶつぶつと話し始めた美童を他所に、悠理は人影を見つけ、驚かしに行った。


「...ばぁ!」

「うわ!びっくりした!」


その人影は校長と教頭だったのだ。
そして、校長先生の手にはカメラが。


今、美童を撮ってなかったかと言う悠理に、いやいやと否定する校長先生。


「もしかして、校長先生も美童のこと...」

「えぇ!?」


違いますよと校長先生をフォローする教頭先生。
...棒読みなのだが。


「違いますよ。校長先生がそんな事なさるわけないじゃないですかー」



私の娘のためであると話し始めた校長先生。


どうやら、娘さんが美童に一目惚れをしたらしく、写真を撮ってきて欲しいと頼まれたそうだ。

理由を知った美童は、いくらでも撮ってください、と写真撮影を許可したのだった。


「情けないですね。うちの娘が、何故こんな男に...」


皆から、いつか痛い目を見るぞと注意される。
しかし、美童は、悪いのは自分の美貌であると言った。


「...お前、ある意味尊敬するよ」


魅録に言われ、僕って罪作りなやつと呟いていた美童だった。
 
 
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