有閑倶楽部

□第3話
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昼休みの時間。
新聞部の人たちが、私たちを取材したいとお願いされ、承諾した私たち。

そして、今は新聞に載せるための写真撮影中なのだ。
あくまで、自然体で撮りたいそうで、いつもの私たちの様子を一人ひとり、撮影していた。


魅録は機械をいじる姿。

「松竹梅さん、目線もらえますか?」

「ん?」

パシャ


野梨子は苦戦しているみたいだった。


「白鹿さん、もう少し笑顔でポーズもらえますか?」

「そんなこと言われましても...」


困った野梨子は可憐に助けを求める。
可憐は野梨子にポーズのお手本をする。

それを真似していく野梨子。


「腰に手をあてて、ちょっと髪の毛さわって、ウィンクよ」

「こ、こうですか?」

「カメラに向かってする!」

「は、はい」

パシャ


悠理は食事中の姿。


「剣菱さん、お顔あげてもらえますか?」

「ん?」

パシャ


もちろん、可憐と美童はとっくに撮影を終えていて、皆の様子を眺めていた。
私と清四郎も、先ほど終えたところだった。


写真撮影が終わり、漸く取材が始まった。


「最後に、みなさんの結婚観についてお聞かせ下さい」


「まぁいずれ、人並みにはするつもりです」


「僕が誰か一人の女性のものになるなんて...世の中の女性たちは耐えられないんじゃないかな〜」


「結婚するなら、中華料理のシェフか、イタリア料理のシェフか...」


悠理の言葉に、魅録から雇えば良いだろとの指摘が。


「松竹梅さんの結婚観は...」


「俺は考えたことねーな」



「私、万が一するなら...やはり、ゆっくりと時間をかけて、お互いの信頼関係を...」


そう言った野梨子に、可憐と美童が反論を返した。


「野梨子、結婚に時間をかけるなんて大間違いよ!私はできるだけ早く結婚するわ。遅くても20歳までにはね。...もちろん玉の輿よ!」

「男と女は一度会ったら、充分分かりあえるんだよ?」



「鈴木さんの結婚観を教えて下さい」

「私は、好きになった人と結婚出来れば、それで良いかな」


私の言葉に悠理が冷やかしの言葉を放った。


「...だってよ、清四郎」

「なっ、揶揄うのはやめて下さい!」


可憐が言うには、女の幸せは、結婚する相手のステータスで決まるそうだ。だから、何が何でも、玉の輿に乗ってみせる、と張り切っていた。


そんな時、扉が開き、校長と教頭先生が入ってきて、取材は終わりと言い放った。


「いいですか。高校時代というものは、勉学にだけ勤しむ時期なんです。すべては、光り輝く幸せな将来のためなんです」


校長の言葉に一人の女性が反論した。


幸せな将来を左右するのが結婚だと。
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