桜の誠ノ誓い

□紅恋慕
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−原田篇−




美来「…総司君てばぁ〜!ま〜たそんな事言ってぇ〜」



顔を赤くして、いつもより砕けた言葉使いと笑顔をしている美来。




それを見て原田の心境は穏やかでは無い。



原(美来のやつ…あんなに無防備に笑いやがって!しかも、何が総司君だぁ!!…面白くねぇ!)



ムシャクシャし、いつもより早いペースでお酒を空けていく。



原田の心境を全く理解していない、永倉は、「おっ!今日も良い呑みっぷりじゃ、ねぇか!」

と、少しふらつく足で原田の側に行き、肩を組むと、原田の空いたお猪口にお酒を注いだ。



それを、無言で呑み干すと美来達の方へまた視線を移すと、目を見開く声と光景が。



美来は酔った勢いで美妃を押し倒した様で、沖田に笑いながら抱き起こされ、胡座を掻いて座っている沖田の膝の上に横抱きにされ、抱き締められていた。




沖「僕も美来ちゃんに押し倒されたいなぁ〜。」

そう言いながら、顔を近付けていた。


(…………!?)




原田は、勢い良く抱き上がるといつもとは違う荒々しい歩き方で二人に近付いた。



原「美来!!ちょっと来い!」



美来の腕を掴むと、
強引に引き立ち上がらせ無理矢理、川の上流の方に歩いて行った。




沖「左之さん?……フッ…先越されたかな…。」


薄い笑みを浮かべると二人の背中を見つめた。



沖田と少し離れた位置に座っていた土方も、お猪口を口に当てたまま険しい目付きで、二人の背中を見遣った。



土(…チッ。原田のヤロォ…)








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