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□ドSの恋心
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総「ねぇさ〜ん!」

「うわぁ!?」



廊下を駆けて来た男に、その勢いのまま
後ろから抱き締められる。



何故か懐かれてしまった。
…懐かれたと言うより、惚れられた?のかな…?




「何?って言うか急に抱き着かないで。」
後ろを振り向き注意をするが、ニコニコして全く聞いていない…。


それ処か、私の髪に顔を擦り付けている。




総「今日も良い匂いですねィ。」
 「…総悟君が言うと何か怖い…。」

私が、顔を引き攣らせて言うと、捨てられた子犬の様な顔をして、私の肩に頭を置き顔を覗き込む。




総「酷いですねィ。…俺はこんなに、ねぇさんが好きなのに…。」
と甘い声で囁いて来た。




(可愛い…。…止めて!ときめいちゃう!)
総悟の天使の様な顔に心臓がドキドキする…。



ダメダメ!私には…。
と一人天使の腕の中で訳の判らない葛藤をしていると、思い出した様に天使が私の肩から頭を上げた。



総「あっ!大好きな、ねぇさんにプレゼントがあるんでさァ!」

(ん?プレゼント?…それに天使の笑顔の後ろに黒いオーラが…。)



はい。と出した総悟の手の中には……。


「ぎゃぁぁぁ!!」





小さなカエルのオモチャ。
…小さいけど、リアル…。




天使…改め悪魔の腕の中で藻掻き脱出すると、また叫びながら副長室を目指した。




「総悟の馬鹿!大嫌い!!」




そう叫びながら走る私の後ろからは、
悪魔の笑い声が…。





総「あはははっ!ぎゃぁぁ!!だってさァ!……」




笑っていた総悟だったが、笑うのを止め真顔になりながら、静かになった廊下を見つめた。






総「…大嫌いかぁ…」







俺はこんなに好きなのに…。

好き過ぎて、他の男と話をしてるだけで腹が立ってるのに…。




俺だけを見てくだせェ…

俺だけにその笑顔を向けてくだせェ…








総「…ねぇさん?…好きでさァ。」

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