黒翻りて鮮紅舞う
□第八訓・変わらぬ絆
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何も話さず歩く土方と美来。
ゆっくりと歩く土方の後ろを着いて行く美来。
(……やっぱ曳くよね……)
どんどん気分が滅入ってくる。
はぁ〜。と溜息を付いた時、突然歩くのを止めた土方の背中にぶつかった。
美来「…いったぁ!」
土「あっ、悪りぃ。……着いた。」
顔を上げた美来の目の前に、
土方の肩の向こうに万事屋が見えた。
美来「あっ……本当だ…」
嘘付いてどうすんだ?と苦笑いで言う土方に美来も苦笑いを浮べ、
気まずかった二人の空気は少し穏やかになった気がした。
美来「…じゃ…じゃぁ、また…」
と土方の横を通り抜け、土方の前に出た瞬間、ちょっと待て。と言う声と共に後ろへ引かれ、土方の腕の中に倒れ込んだ。
倒れ込んだ美来を、土方は壊れ物に触れるかの様に優しく、だが力強く包み込んだ。
土「…辛い事…思い出させて悪かった…。……少し驚いちまって…。」
そう、静かに美来の耳元で話し出した。
土方の顔はいつの間にか美来
の肩に顔を隠す様に乗せられていた。
美来「………。」
土「……こんな事言ったらアレだけどy『言わないで下さい!分かってますかr「俺はお前が好きだ!」
被りに被った二人の言葉。
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