咲く花

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「え!?お兄ちゃん達、また遺跡に行ったの!?」

ゼンライ様、通称ジィジに向かって声を上げた私に彼は頷いた。

「なんだ、聞いとらんかったのか?」

「いってきまーすの声はきこえたけれど…まさか今日も遺跡に行くとは思わなかったから…」

昨日も遺跡巡りそのまた前日も前々日も遺跡巡り。毎日毎日遺跡巡りに没頭するスレイ、私の兄にはそろそろ呆れてしまう。親友のミクリオも遺跡巡りに毎日付き合うぐらいの遺跡マニア。今日も今日とて2人は一緒に遺跡へ。

「私も一緒に行きたいのに…」

「あの子らは、ユイのことになると過保護じゃからのぉ」

「ジィジがそれ言う???」

それもそうじゃな、と笑いながらジィジは言った。私たちをここまで育ててくれた村のみんなやジィジは、過保護というかなんというか、大事にしてくれてるってことはわかる。それはそれで嬉しいんだけど。

「ユイ…お主が遺跡にさえも行かせない理由を…知っておろう?」

「うん…この前の誕生日にジィジが言ってたことだよね?」

「そうじゃ…お前には辛いじゃろうが…仕方がない…」

「わかってるよ…ちゃんと。けど、いつか出なくちゃいけない日が来るんだよね」

「そうじゃ、それがお主の役目であり、使命じゃ。忘れちゃいかん」

「使命も何も、お兄ちゃんが行くなら私も行くよ。きっとミクリオも…」

目を伏せて、この前のジィジから言われたことを思い出す。私の役目、使命のことを。

「2人のためならどんな運命だって受け入れるって、あの時決めたんだから」

「だが無理はいかんぞ」

「大丈夫だって、心配症なんだから、イズチの皆は〜」

そう言って笑ったと同時にジィジの眉がピクリと動く。どうしたのか、と聞いてみたらどうやらお兄ちゃん達が帰ってきたみたいだけど、表情が曇ってる。何かあったのかな。

「ちょっと見に行ってみるね」

そう言って私はジィジの家の扉を閉めて外へと向かった
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