special stories

□あなたに会いたい
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「君は…スクイブなのかい…?」

リーマス教授と名乗った人は、そう言った。

「どうして、そう思うのですか?」

苛々が隠せないでいた。
普通、初対面の人に言うような台詞ではない。
確かに、私は出来損ないのスクイブだ。

「ホグワーツには、マグルは入れない。
しかし、君は…11歳を越えているように見える
君は、ホグワーツを嫌いそうな感じでもない。
それなのに、君は、杖を持っていない。
だから、スクイブという選択肢が残った。」

なんだか、頭の良さそうな発言。
いつもの見下されてる様な感じを思い出したけど、
平常心を保った。

「えぇ、そうです。
ただ、私は姉の忘れ物を届けに来ただけなので、
すぐに帰ります。」

「それは、梟便で届ければ良かったのに。」

なんだか、冷たいというか、
完全に私を疑ってるよね。

「すみません、梟便で届けられない物で。
途中で誰かに取られたら、
そう考えると、心配で。
大事な家宝なんです。」

「なるほど。では私が預かろう。
お姉さんの名前を伺っても良いかな?」

良かった、疑いが晴れたみたい。
姉の名前を伝えると、馬車に向かうため、
クルリと振り返った。
その時、頭に冷たい水が当たった。

「あ、雨。」

どうしよう、傘なんて持ってないよ。
その時、ヒュッと杖を降る音がした。
そして、ルーピン教授が傘を差し出してくれた。

「さっきは、失礼な事を言ってすまなかった。
お詫びといっても、こんなものだが…」

「あ、ありがとうございます。」

さっきまでの威圧感なんて消えて、
優しい雰囲気に包まれていた。
お姉ちゃん、良いなぁ。
こんな先生に教えてもらえるなんて。

「またどこかでお会いできたら良いですね。」

冗談まじりに言ったけど、これが
本音だった。

「いつでもおいで。」

え?
ルーピン教授はただ優しく微笑んでいた。
この人、本気なのかな?
そう考えながら、教授と別れ、
馬車に向かった。
 

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