あなたが私のすべて

□2 恐怖
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久しぶりの、キングス・クロス駅に
ホグワーツ特急。
そして、多くの人で溢れている、
この慌ただしい雰囲気。
懐かしいなぁ。
一年生の時は、緊張してて、
周りをよく見れてなかったけど、
案外、新しい発見があった。
後ろを振り向くと、見慣れたあの
たっぷりとした赤毛。

「リリー!」

名前を呼んだとたん、ワクワクしてきた。
ホグワーツに戻れるんだ!
リリーが、目をキラキラさせてこっちに来た。

「久しぶりね、エレナ!
元気にしてた?」

「ええ、もちろん!会いたかったわ。」

リリーが頷くと同時に、誰かが
私の方を叩いた。痛い!
後ろを振り向くと、シリウス。ジェームズ。

「どっちが叩いたの?」

シリウスはジェームズ、ジェームズはシリウスを
指差した。
そう来ると思ってた。

「シリウスよ。」

ボソッとリリーが呟いた。
キイッと、シリウスを睨むと、
私から、わざと視線を外して、口笛を吹き始めた。
わざとらしいなぁ!

「痛いなぁ、骨折れたかも…」

わざと、肩に手を置き、上目遣いで
シリウスを見てみる。

「痛くねーだろ。」

デコピンされた。痛い。痛い!

「もう、シリウスのバーカッ!」

きっと、シリウスはわざとらしく大声で
笑ってるんだろうな。
でも、きっと聞こえるだろう、その声は
私の心臓のドキドキで掻き消された。
リーマスの香りに包まれたから。

「エレナ、会いたかった。」
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