あなたが私のすべて

□1出会い
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「ねぇ、ここ良い?」

赤毛の女の子が、コンパートメントの
扉を叩く。
どうせ一人だし、良いか。

「良いよ。」

女の子は、軽やかな足取りで中へ入ってくる。

「私、リリー。よろしくね。」

「私はエレナ。よろしく。」

お互いに手を差し出し、握手。
なんか、こういうの初めてだな。

「私、こういうの初めてなのよ。」

「え。今、おんなじこと考えた。」

顔を見合わせて、吹き出す。
出会ってから、もう何年もたった感じ。

「私ね、両親も、お姉ちゃんもマグルなのよ。
だからちょっぴり不安なんだよね。」

「それ、分かる。」

「やっぱり?エレナのご両親は?」

「お母さんはマグルで、お父さんは魔法使い。」

リリーは、へぇーと頷いた。

「ここ良いかい?」

と、突然、誰かがコンパートメントを叩く。
今度は、男の子が二人。
そんなに、他のコンパートメントは
空いてないのかしら。
リリーに、チラリと視線を合わせる。
うーん。その顔は、どういう意味なのかな。

「別に、良いわよ。」

リリーが、そう承諾すると、二人は
楽しそうに入ってきた。

「俺は、ジェームズ。よろしくな。」

「んで、俺はシリウス。」

「私はリリー。リリーエバンスよ。」

「私はエレナ。エレナウィリアムズ。」

自己紹介が終わると、
コンパートメントはいきなり騒がしくなった。
そのせいか、リリーは少し不機嫌になった。
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