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□◎どこにも出口のない日々が◎
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「お嬢様、本日のスケジュールになります」
「お嬢様、本日の会談ですが、相手側の意向により少し早まることになりまして…」
「お嬢様、本日の………………」
私は
財閥の跡取り娘。
周りの方からの期待を背負い
いつまでも皆様の鏡。
「えぇ、分かりましたわ。」
今日のスケジュールを頭にインプット。
少しのミスも許されなくて
「はぁ…」
思わずこぼれたため息。
近頃はため息ばかり。
跡取り娘として失格ですわ…
「陽加様、どうかなさいましたか⁇」
声をかけてくれたのは執事の佐倉。
「ありがとう、佐倉。なんでもございませんわ。」
佐倉は私が幼い頃から私の執事をしてくれていて、
家族の様な存在。
いつか、
いつか…
私の唯一の信頼できる異性、佐倉よりも
素敵な方が現れたなら、
その方と一緒にもっと自由な世界で
幸せになりたいわ。