Lise
□ヒソカ×ト×ヒント
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名無しは手や腕をブンブン振ってみた。しかし全く離れる様子がない
「(ヒソカ…早くそれ解けよ)ほら、名無しも嫌がってるじゃん、早く離せよヒソカ」
イルミは名無しが嫌がっているがなかなか取れなくて焦っているのだと思った。それに、あのくらい名無しなら振りほどけるのは分かってるが、念が使えないという設定なので無理矢理にでも取ろうとしているのだろうと思った。
しかし、
『おぉー!!何これ全然離れえねー!おもしれーー♪』
ブンブンブン
当の本人は楽しんでいるようだった。
「…」
『なぁ!ヒソカも力入れてないだろ!?
なんで離れないんだ!?』
名無しは純粋に興味を持ち、目を輝かせながら聞いた。
どんな能力なのかと聞くと念を知っていることがバレるので、当たり障り無い質問をした。
「クククッv奇術師に不可能はないの◇」
ヒソカは名無しをブンブン振られつつも、お決まりの言葉を言った。
そして、その流れで、
「このまま繋いでいるかい◇?」
と聞いたのだ。
ピクッ
それにすかさず反応したのは、やはりイルミであった。
「ふーん。そんなこと言っていいの?ヒソカ。
もし名無しがOK出したら、この勝負俺の勝ちだね」
イルミは何としても名無しからヒソカを引き離したかったらしく、機転の利いたことを言った。
その言葉を聞いたヒソカも黙っちゃいられない。
「んー◇…それは困るなぁ◇…
名無し、絶対ボクが勝つからキミは大変だろうけど6個取るの頑張るんだよv
何なら」
『あー、分かった分かった;行ってらっしゃい!!』
名無しは、一応年下設定だったため最初は敬語を使っていたが、しつこく言ってくるヒソカに飽きれ、こいつには必要ないと思い使うことを止めた。
(その前から敬語は取れてしまっていたが)
そして、やっと名無しを賭けたゲームという名の(イルミとヒソカにとっては)真剣勝負が開始されたのだった…
「ところでさぁ、ボクが勝った訳だから名無しはボクが貰うよ◇」
「…」
『え?あれ本気だったのか?(マジか!?)』
ヒソカの言葉にイルミは無言、
名無しは自分が駆けられたところで何の利益も無いと言う理由から、2人は自分を助けてくれるための口実だと思っていた。
「何を言ってるんだい◇ボクが何の得も無しに人を助けると思うかい◇?」
ヒソカは、興奮最骨頂の時のような顔をチラつかせながら言った。
『い、いえ。滅相もございません。(この様子だと、多分私は、所謂ヒソカで言う青い果実なのだろう。ハハハハハ…ハァー;)』
名無しはヒソカの顔を見てそう思った。
しかし、
「と言うのは半分冗談◇」
突然ヒソカはそんな事を言い出した。
「ヒソカ、何考えてんの」
「さぁ、ナニ考えてるんだろうねぇ◇」
イルミの睨みを利かせながらの(とは言っても雰囲気的にだが)質問に対し、ヒソカは含みのある言葉で返した。
その後、自分の手抜きのせいで勝負に負けたものの、取られたのなら取り返せばいいと思ったイルミは、試験終了まで寝ると言い出し、ザクザク穴を掘ってさっさと眠りに就いてしまった。