Lise
□ハジマリ×ト×カラマワリ
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ガラガラ…
『おっちゃん!ステーキ定食!弱火でじっくりな!!』
ザバン市内にある、とある飲食店。
そこに15歳くらいの一人の青年がやってきた。
青年は店に入るや否や大声で注文した。
「へいよ!奥の部屋に行ってくれ」
『分かった!』
青年は奥に通されると席につき、伸びをした。
『ん゛〜…あー…羽を伸ばしに行くと思って行けばいっかなー』
料理が運ばれ、暫くすると部屋が動き出した。
ウィーーーーン
『(とりあえず、絶せずに念未修得並のオーラ垂れ流しとくか…
イルミには頃合いを見て会おう。
今日はちゃんと持ってきたぞ!!(`・・´)』
懐に入れた物を思い出し青年はちゃっかり料理は平らげた。
青年の正体は名無しだった。
ハンター試験の平均年齢を見るとあまり子供はいなかったので、中間くらいの15歳程度の青年に変装したのだ。
部屋の動きが止まり、着いたことを知らせるベルが鳴ると部屋の壁が開いた。
「試験会場到着お疲れ様です。
プレートをお受け取り下さい。貴方は66番です。」
『ありがと〜♪』
マーメン差し出されたプレートを胸に着け、青年は壁の方へ移動した。
すると前から小太りのおっさんがやってきた。
「やあ。俺トンパってんだ。
君、新人君だよね。実は俺この試験のベテランでさ…」
『(え…なにコイツ…初対面でこんなに話すか?普通…
つか、話がくだらなさすぎる…)』
明るく無垢な青年設定でいく名無しは、これ以上話を聞いているとダレそうだったのでそれとなく相槌を打って去ろうと思った。
しかし、
「じゃあ、お近づきの印にジュースでもやるよ。
ここに来るまで色々大変だっただろうからな!ニコッ」
行く手を遮ってトンパが名無しの目の前に缶ジュースを差し出した。
見るからに怪しいそれを見て名無しは思った。
『(イルミにあげよう…)』
幸い、缶ジュースだったため後で飲むとか言って名無しは手に持っておいた。