worldcreator~世界の創造者

□第一章仕組まれた事件
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医者は淡々と話始める。

医者「‥‥君の母さんが狙われたと言っていただろう。そのことについてなんだが‥」

陽向「はい‥」

医者「君の母さんの体の中から、変なものが出てきてね。ああ、すまない。とってきてくれないか」
看護師「わかりました。」

看護師が持ってきたものは銀の剣の形をした小さなピアスだった。


医者「これが出てきてね、君はこれが何かわかるかい。」

陽向(これは‥‥春井家で代々受け継いできたというピアスだ。)

「これは俺の家に代々伝わるものです。ですがなぜ、これが母の体の中から?いつもつけていたはずですが。」

医者「やはり、そうなんだね。そして、私が考えていることが正しければ君の母さんが襲われた時に彼女は自分でこれを体の中に入れたとのだと思う。」

陽向「はぁ‥‥?なぜですか」

医者「例えば、誰かが君を襲いにきたとすれば、そして君がその時誰にも渡せないものを持っていたとしたらどうする?」

陽向「俺は、隠します。」
医者「どこに」
陽向「なにをおっしゃっているんですか、これ関係ないですよね」

医者「いいから、君はどこにそれを隠すんだい」

陽向「はあ、棚とかですか?」

医者「そんな所に入れる時間がなかったら?絶対に見つからない所に入れるしかなかったら?」

陽向「それは飲み込むぐらいしかないでしょうよ‥‥‥‥。あ、そうゆうことかそのピアスを渡さないために母さんは体を張って‥」

医者「そうだね、では、なぜ君の母さんはこれを死んでも渡さないようにしたか」

陽向「どうしてなんですか」

医者「ここからは本当に僕の憶測になるんだが、いいかな」

陽向「はい。」

医者「君の家系は特殊な能力があるということを聞いたことはないか。」

陽向(え、なんでこの人こんなに俺たちのこと知ってんだ。)

「まあ、はい。俺たち春井家は昔から不思議な力で傷を癒すことができると聞いています。でも、俺はそんなことできませんけど。」

医者「やはりな、襲った者はその不思議な能力の元であるこのピアスを奪いに来たんだ。」

陽向「え‥‥‥?」
俺は戸惑っていた。なぜこんなにもこの人は母さんが襲われた理由や俺たちはなんなのかを知っているんだ?そしてこれを狙って母さんを襲った‥‥聞いたことのないことばかり聞かされ頭はパンク寸前だ。

そして、いつの間にか看護師が猫になっていることに気づく。
医者「よし、」

陽向「あれ、看護師さんが猫に!!
‥‥どうなってるんですかっ!これは」

医者「いやあ、嬉しいな。世界が滅びそうなこの時にまた、春井家の者に会えるとは」

陽向「ちょっと、待ってください。何が嬉しいんですか。俺の母さんは死にそうになってもう目を覚ますことはないのに。」

医者「それだよ。君の家はどんな能力を持っているんだったけ?」

陽向「不思議な能力で傷を癒す‥ん、そうゆうことかこの力があれば母さんを助けることができる」

俺はそのピアスを取り、なんとか使おうとする。
陽向「え、なんで。なんでだよ。なんで何も起こらないんだよ」
医者「それは、まだそのピアスに力が戻っていないからだよ。」

陽向「っ、じゃあどうすれば」

医者「そう焦るな、その力が取り戻せれば君の母さんは戻ってくるんだ。」

陽向「クソ、なんでだよ。」

医者「よし、じゃあ私が教えてあげよう。」

陽向「本当ですか?じゃあ、早速お願いします。」

医者「だーかーら、焦るな。焦ってたらできるもんもできねえだろ。」

急に口調が変わり、怖くなった医者を見て口が開かなくなる。

陽向「え、あ、すいません。はい聞きます、話を」

医者「分かればいいんだ分かればまず、俺の名は夜乃月光(つきみつ)だ。」

陽向「あ、はい。俺は春井陽向です。よろしくお願いします夜乃さん‥‥って夜乃ッッーー!!」

月光「どうした」

陽向「えっとあの娘さんは?」
月光「いるが、なんだ俺の娘がどうしたんだ。」

陽向「えっと、娘さんのお名前は‥」
月光「ああ、みつ‥」
(ガラガラ
?「あ、お父さんここにいた。探したんだよーって患者さん?‥‥あ、春井くんじゃん。」
陽向「やっぱりか‥‥いいんちょー‥‥」
月光「なんだ、知り合いか未月。」
未月「うん、同じクラスの春井くんだよ。」
陽向「あ、はい。お世話になってます」
月光「なら、話は早いじゃないか。おい、未月頼みがある。」
未月「なに、父さん。」ゴニョゴニョ

月光「そう言うことで明日からこいつの特訓をしてくれないか」

未月「え、あ、わかった。まさか春井くんが春井家のねぇ。」

陽向「え、先生。何ですか特訓って」

月光「まあ、明日になればわかる。とりあえず今日は帰って休め、色々聞きすぎて整理ついて無いだろ」

(そうだ、今日、母さんが襲われて狙われて色々あって俺しか治せるやついなくて、ほんと俺なんなんだろ)
陽向「はい‥‥」


そして俺は夜乃総合病院を後にした。
陽向(でっかすぎだろこの病院、あっ、なんで猫になったか聞くの忘れてた。夜乃家って何もんなんだろ)
「ま、明日聞けばいいか‥‥‥‥なんて、家帰ったって誰も居ねえじゃんか。クソ」
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