【中編】シェアハウス
□no.3
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自分の部屋へと戻ると、電話が鳴った。
「もしもし?名無しさんさん?」
聞き覚えのある声。
「パリストン…?」
「そうです」
「なんの用?」
「明日パーティが開かれるんですよ、それに参加していただきたいと。あっ、もう明日というより今日なんですけどね」
一人で楽しそうに喋るこの男が苦手だったりする。
「無理」
「まぁ、そんなつれないこといわないで」
「それ、参加じゃなくて、同行でしょ?」
「あっ、バレました?」
「ばればれだって」
「まぁまぁ、それなりにチップは出しますから」
「いくら?」
「それなりに…、じゃあ、協会で」
「まだ、行くなんて…っ」
ぷつんと切られた電話をベッドに放り投げ、クローゼットの中からドレスを引っ張り出した。
「面倒くさ…」
小さく呟きながら、ドレスに着替え、身を飾る。
リビングにいたヒソカに仕事に行くと伝え、家を出た。