HUNTER×HANTER

□恋って...?
1ページ/1ページ

恋って...?


「ねぇ、フィン」

「あ?」

広い背中に寄りかかりながら尋ねると、振り向きもせずに返事が返ってきた。

「恋ってなんだと思う?」

「恋??」

たまたま読んでた雑誌の1ページ。
科学的に書かれた恋について。

そのページの端をなぞりながら、問いの答えを待った。

一向に出ない答え。
ゆっくりと時間だけが過ぎていく。

「フィン、考えてる?」

「あ?なにをだ?」

その言葉を聞いて少しだけ大袈裟にため息をついた。

「もういいよ」

ため息混じりにそう言って雑誌を閉じると不意に上から声が聞こえた。

「恋について、でしょ?」

「シャル...、シャルはどう思う?」

「うーん、恋愛感情っていうのは感情脳が刺激されて起こる錯覚みたいなものだろ?」

「だからさ、本当に恋なんて存在するのか疑問に思ったりもするよね」

でもやっぱり...、そういって深く考え始めたシャルは放っておいた。

「フィン、」

「なんだよ?」

「恋なんて存在しないのかな...?」

振り返ったフィンのジャージを掴んで真っ直ぐに目を見つめた。

「あー...、そういうのよくわかんねぇけど」

「俺はちゃんと名無しさんにコイしてるぜ?」

そう言って笑ってみせた。
堂々と放たれたその一言に不思議と自分の頬が赤く染まっていくのがわかった。

「...っ、んでお前が赤くなんだよ」

「あーもー、俺のがはずいっつの!」

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ