HUNTER×HANTER

□泣きたい時は...
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泣きたい時は


「名無しさんー?」

少し離れた所から自分を呼ぶ声がした。

近づいて来た足音がすぐ側で止まった。

「...泣いてるの?」

少しして聞こえた心配そうな声。

「名無しさんー、どうしたの?俺でよければ言って」

「...嫌になっちゃった、もう全部、全部嫌」

下を向いたまま震える声で言った。
言葉と共に溢れた涙。

「そっか、そっか」

隣に座ったシャルがゆっくりと背中を撫でてくれた。

「嫌かー、俺もあるよ、うん、あるある」

語りかけるように始めた話。
私に話しかけてるようにも聞こえるし、独り言のようにも聞こえる。

「あったなー、俺も。...嫌になっちゃうこと」

ーーーーー・・・・


どれくらい傍に座っててくれたのかわからないくらい時間が経った。

背中を撫でる手は止めないでいてくれた。

優しくて温かかった。

ゆっくりと顔をあげると、眩しい程の笑顔のシャルがいた。

「ほら、名無しさんも笑って」

「...え?」

「泣きたい時は泣く!で、泣いたら笑う!」

そう言ってもう一度笑ってみせた。

「ほーら!」

ひきつりながらも笑って見せると、さっきとは少し違う優しい笑顔が向けられた。

「...そう、名無しさんは笑ってる時が一番可愛いよ」

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