HUNTER×HANTER

□バレンタイン
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キラキラと輝く夜景を見ていると、手元にワインの入ったグラスが置かれた。

「ありがと、イルミ」

「どういたしまして」


イルミにお礼を言って、ワインを口にした。


「で、話ってなに?」


そう尋ねられて、バックの中から小さな箱を取り出した。


イルミのほうを向いて箱を渡すと、少しだけ驚いた表情をした。


「オレに?」

「うん、そうだよ」

「へぇ、開けていい?」

「うん」


「チョコ?」

「そう」


一粒チョコを摘まんで口に運んだ。


「うん、美味し」

「ほんと?よかったぁ」

「相変わらず器用だね」

「そうかな?」

「うん、あっ、お礼しなきゃだよね。なんか欲しいものある?」

「うーん、特にないけど…」

「あっ、イルミが欲しいっ」


冗談で笑って言ったのに、待ってましたとばかりに抱きかかえられた。


「えっ、ちょっと…イルミ?」

「オレが欲しいんでしょ?」

「ちがっ、冗談だって!降ろしてっ」

「なに?聞こえない」

「嘘っ、絶対聞こえてる!」

「ううん、ほんとに聞こえないよ」

「聞こえてんじゃん!!」


必死の抵抗も無駄で、あっさりと連れ去られた。

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