HUNTER×HANTER

□ふたつの想い
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ドアをノックする音が部屋に響く。


「名無しさん、いるかい?♤」


尋ねられた言葉に返事をしなくても、扉は開き、足音が近づく。


「名無しさん、」


彼の言葉を遮り、ベッドの上にうずくまったまま、一つ一つ言葉を紡いで話していく。


「…怖いの」


「…なんで、…殺したか、わかんない…」


「もう、…やめたい、こんなの…」




緩く頭を撫でられ、顔を上げる。
思いのほか近くにいたことに、驚いていると、ゆっくりと抱きしめられた。



「…やめたいなら、やめてしまえばいいさ♧殺しも、旅団も…」



背中に爪が立てられ、蜘蛛のタトゥーが入ったニセモノの薄い皮膚が剥がされていく。


その行為に、言葉に、なぜか涙が零れ落ちる。


その涙に、手が止まり、心配したような、不安そうな瞳が私を覗き込む。


「…団長のことかい?」


その言葉に目を逸らすと、肩をなでおろし、小さくため息をついた。


そして、もう一度、ゆっくりと抱きしめられた。









旅団を抜ければ、クロロとも離れることになる…
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