HUNTER×HANTER
□ゆき
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窓の外に広がる真っ白な世界を見つめていると、手元に一枚、ハートのトランプが飛んできた。
「…なに?」
返事のないことに少し腹が立ち、手元のカードを積み上げられたトランプの山に向かって投げる。
積み上げられたトランプに命中すると、小さな音を立てて崩れた。
「なに?」
もう一度同じことを少し冷めた口調で尋ねる。
「…べつに♤」
「あっ、そ」
返ってくる言葉はなんとなく予想がついていた。
だから、少し食い気味に言葉を返した。
部屋の隅の方に掛けてあった厚手のコートを手に取り、ドアを開ける。
「どこ行くんだい?」
「外」
尋ねられた言葉に振り向きもせずにこたえ、ドアを閉め、ブーツを履き、雪の積もる外へと出る。