HUNTER×HANTER

□Battle‼
1ページ/1ページ


木々が揺れ、刈り取られた草の臭いが鼻につく。

薄くだが確かに感じる殺気。

(名無しさん、…あぁ、そういうことね)

吹き抜けた少し広い場所に戦う名無しさんの姿。

…押されてる?

いつもならあり得ない。
名無しさんが押されるなんて。

(あぁ、脚を…。…んっ、手首もか…。)

(助ける?…手を出したら怒るもんなぁ♤)

もう少し様子をみよう…。


きつくなったのか、一旦身を引き隠れる名無しさん。

(まずい…、そろそろ行かなきゃね♧)

名無しさんに近づきナイフを振りかざそうとする腕を鷲掴む。

「はい、そこまで♤」

硬く目を瞑った名無しさんに出来るだけ柔らかく声をかける。

「逃げなよ、…後はボクがやる♧」

いつもとは違いあっさりと身を引く。

立ち去ったことを確認し相手に目をやる。

こんなの殺ったって満たされない…。でも、名無しさんを殺りかけた。理由なんてそれだけで充分。

首に手を置き、力を入れる。

「くくっ、ボクはキミに興味なんてない。殺そうが殺さまいがどっちだっていい♤」





「…名無しさんを殺していいのはボクだけなんだ♡」



小さく呟いた言葉は風にのり消えていった。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ