HUNTER×HANTER
□Battle‼
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木々が揺れ、刈り取られた草の臭いが鼻につく。
薄くだが確かに感じる殺気。
(名無しさん、…あぁ、そういうことね)
吹き抜けた少し広い場所に戦う名無しさんの姿。
…押されてる?
いつもならあり得ない。
名無しさんが押されるなんて。
(あぁ、脚を…。…んっ、手首もか…。)
(助ける?…手を出したら怒るもんなぁ♤)
もう少し様子をみよう…。
きつくなったのか、一旦身を引き隠れる名無しさん。
(まずい…、そろそろ行かなきゃね♧)
名無しさんに近づきナイフを振りかざそうとする腕を鷲掴む。
「はい、そこまで♤」
硬く目を瞑った名無しさんに出来るだけ柔らかく声をかける。
「逃げなよ、…後はボクがやる♧」
いつもとは違いあっさりと身を引く。
立ち去ったことを確認し相手に目をやる。
こんなの殺ったって満たされない…。でも、名無しさんを殺りかけた。理由なんてそれだけで充分。
首に手を置き、力を入れる。
「くくっ、ボクはキミに興味なんてない。殺そうが殺さまいがどっちだっていい♤」
「…名無しさんを殺していいのはボクだけなんだ♡」
小さく呟いた言葉は風にのり消えていった。