ゾルディック
□no.7
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部屋に差し込む西日で目が覚めた。
ほぼ一日眠り通しだったらしい…。
適当に着替えて、髪を整えて部屋を出た。
「イル兄、いる?」
イル兄の部屋のドアをノックする。
すぐに返ってきた返事と共にドアを開け、部屋に入った。
「名無しさん?どうしたの?」
「部屋まで運んでくれたの、イル兄だよね」
「?そうだよ」
「…ありがとう」
「どういたしまして」
「あと、ごめんね…」
「?どうして?」
「足引っ張っちゃったから…」
俯いてそう言うと、そっとイル兄に抱きしめられた。
「なに言い出すかと思えば…」
「だって…」
「名無しさんは頑張ったよ」
そう言って優しく頭を撫でてくれた。
「…イル兄、好き…」
「オレも名無しさんが好きだよ」
その言葉に驚いて顔を上げると、優しく微笑むイル兄と目が合った。
大きな手ゆっくりと頬を包み、唇が触れた。