ゾルディック
□no.4
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日が暮れ始めた頃、ゴトーがドレスを手に部屋に入って来た。
「名無しさん様、そろそろお着替え下さい」
「あぁ、もうそんな時間?」
「はい、会場に行くまでにも時間がかかりますので」
「そっか…」
「すぐ外にいますので、なにかありましたらお呼びください」
ドレスを置いて、軽く会釈をしゴトーが部屋から出て行った。
ドレスに着替え、ゴトーを呼ぶ。
「なんでございましょうか?」
「背中…」
「あぁ、」
閉められていない背中のチャックをゴトーに閉めさせる。
ついでにネックレスを渡す。
「大変お綺麗です」
振り返ると緩く微笑んだゴトーと目があった。
「…ありがとう」
「?…あまり乗り気ではないようですね」
「うん…」
「頑張ってください」
「…」
「まぁ、とりあえず…」
「?」
「無事にお戻りください。私は名無しさん様が無事に帰ってくることのみを願っております」
「ゴトー…」
「…ありがと、なんか元気でたっ」
「それは、良かったです」
「頑張ってくるっ」
優しく笑ったゴトーを背に部屋を出た。
no.5