ゾルディック

□no.2
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「ゴトーか…」

ぼそっと呟いたシルバに仕事から帰ったばかりのイルミがその言葉の意味を問う。

「ただいま、ゴトーがどうしたの?」

「あぁ、イルミか。いや、名無しさんが、いいと思ってるなら、それでもいいと思ってな」

「ふーん、いいんじゃない?」

意味のありげな会話にキルアが突っ込んだ。

「いいってなにがだよ」

「ゴトーなら安心だが…」

「そうだね」

「いいってなにがどういうだよ!」

「結婚、…いや、子供が、ってこと」

「そういうことだ」

「子供!?名無しさんとゴトーが!?」

「どういことだよ、兄貴!親父!ちゃんと説明しろよ!」

「はぁ、キルうるさい」

「キルアは黙ってろ」

「っんだよ!2人して!!」

「ま、確かにこのままじゃ、ゾルディック家自体が危ないよね」

「あぁ、ここで家の血を絶やしたくはない」

「…」

「まぁ、ゴトーならそれなりに強いし」

「っんだよ、そういうことかよ…」

「それか…イルミか」

「兄貴?!」

「ま、なんとなくそんな気はしてたけどね」

「はぁっ!?」

「下手に外からの血を入れて子供産むならってことでしょ?」

「そうだ」

「でも、兄妹じゃ…」

「いいよ、オレは」

「兄貴!?」

「名無しさんほどいい女はいないしね。」

「そんなっ」

「キルもそう思わない?強くて気品があって、見た目だって他の女とは比べものにならないくらいに美しい」

「そうだけど…、でもっ」

「オレはいい」

「イルミ…」

「兄貴…」

「なんなら、名無しさんにも伝えておいてよ」



「最後に選ぶのは名無しさんだからね」


くるっと踵を返してイルミが去っていった。



no.3
 

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