HUNTER×HANTER
□ゆき
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久々の雪の感覚にテンションが上がる。
吹雪くことはなく、大粒の雪がゆっくりと降り積もってゆく。
街の至る所に残された雪だるまや、作りかけのかまくらは、とても愛らしくいつもとは違う賑わいをみせた。
小さい子どもがはしゃぎ回る大通りを歩いていると、いつもの声が私を呼んだ。
振り向くと、ひらひらと手を降るヒソカの姿があった。
「1人じゃ寒いだろうと思ってね」
「余計なお世話」
「そんなこと言わないでよ」
前を向き直り、歩き始めると、隣を足並みを揃えるようにゆっくりとついて来た。
「なんでついてくるの?」
「なんとなく♡」
「ふーん」
「あっ、この前ね…」
他愛ない会話をかわしながら歩く雪道。
いつの間にか、冷たくひえた手はヒソカの大きな手と絡み、ポケットの中に収まっていた。
end