short story
□相棒へ
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拝啓、ハルの愛する相棒へ。
まーちゃんがこれを読まないことを祈ります。
ですが、きっとハルは近い将来に心臓の病気で死するでしょう。いいのです。もう、わかっていたことです。
余命1年を言い渡されたあの日、涙が止まりませんでした。
「なんでハルが」
何度もそう思いました。そんなハルの隣について、涙の理由も聞かずにずっと寄り添ってくれたまーちゃんの優しさ、繋いでくれた手の暖かさ。とても嬉しかった。
衰弱していくハルの様子を1番に見抜いたのはまーちゃんだったね。
マネージャーさんから聞いたよ。
ハルの余命の話を聞いた後、みんなが泣き崩れてる中、
「今日、もう帰る!」
って泣き喚いて大変だったって鞘師さんから聞いたよ。その日ハルは病院でいなかったんだもんね。
「病院いくの!」
って、何言ってんだ、って思ったけど、正直嬉しかった。
次の日楽屋入ったら、みんなが泣き出して困ったけど、まーちゃんのはビビったな。
泣きながら抱きついてきたと思ったら、その後ビンタだからね。
で、
「なんで言ってくれないの!?」
「知ってたら、もっとどぅーとの時間大切にしたのに!」
「バイバイなんて絶対言わないのに!」
って。その後ずーっとバカだって言われて、困ったけど、悪かったと思ってるよ。早く言わなくて本当にごめん。
それからは、2人でいる時間が増えたよね。ダンスも歌唱も病気のせいで思うようにいかないし、置いてかれちゃってるハルといつまでもできるまで居残りしてくれた。大変だったよね?ありがとう。
一緒に買い物にも行ったよね。まーちゃんメッチャオシャレしてきて、ビックリ!
「行こう!」
て言って、手繋いで歩いてファンに見つかっちゃったらどうしようって思ったけど、まーちゃん楽しそうだったからいいことにしたよね?
お揃いのもの買ったりさ、公園行ったり楽しかったよ。
結局、マスクしたり、帽子かぶったりして隠さなかったから見つかっちゃったよね。
まーちゃんと過ごした時間がハルにとって、宝物。
あの世ってとこに行ってもハル、まーちゃんのこと忘れないからさ、まーちゃんもハルのことに忘れないでよな。
先にいなくなってごめん。でも、まーどぅーは永遠でしょ?
大丈夫だよ。
これからも見守ってるし、ずっと応援してるよ。
最後に
ハルと出会ってくれてありがとう。
まーちゃん大好きだよ。