*桃色ノ夢

□花束
1ページ/2ページ





「ふぅ~…」


なんとか資料をまとめることができたのは
午後8時半。



これでやっと帰れる…

急いでカバンの用意をしてると、
捜査が終わったのか滝澤くんが近づいてきた。


「名無しさん!」

「滝澤くんお疲れさま!
なぁに?」


滝澤くんはしばし時間をおいてから

「お前今日誕生日だろ?
時間がなくてこんなものしか買えなかったけど……」

そう言って手渡してきたのは
可愛いネックレス。



「覚えててくれたの!?

ありがとう!!大事にするね!」

「お、おう!

じゃ!また明日」


急ぎ足で帰っていく滝澤くん。
急ぎ事でもあるのかな?



カバンの用意を済ませて
局から出ようとすると、後ろから呼び止める声が聞こえてきた

「名無しさん~!待ってください!」


「鈴屋くん?

どうしたの、息を切らして」



「…さっき…

せーどーに何かもらってませんでしたか?」

「うん!

…どしたの?」


鈴屋くんはいかにも不服そうな顔。


「何でもない日に名無しさんに
贈り物なんて…

せーどーはズルい奴です」

「…えっと…
何でもない日って訳じゃない…から

滝澤くんはズルい奴じゃないよ!」


さっきプレゼントもらったばっかりで
ズルい奴なんて言われてる滝澤くんをかばった。


それがさらに気に入らないのか
彼はほっぺを膨らませて。

今日の鈴屋くんは機嫌が悪いみたい

「何で名無しさんが
せーどーをかばうですか」

「えっ、えっと……?」



「おっ、名無しさん。
誕生日おめでとう!


…?……君たちどうしたの?
空気が最悪だけど…」

「あっ!ありがとうございます」

局に帰ってきたばかりの
篠原さんに声をかけられた。

ふと、鈴屋くんの方を見ると
はっとした表情で外に走っていった。







.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ