*桃色ノ夢

□昼の貴方と夜の貴方
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お昼は子犬の様に可愛くて

「名無しさんさん、ドーナツ買ってください」

なんて言って抱きついてくるけど


夜のは狼の様に私に喰い付く。

耳元で好きだよって囁かれる度に
私の体は熱を帯びてゆく




そんな昼と夜で別人のようになる男の子
鈴屋什造くんは私の彼氏です。



私と同じ〔CCG〕の二頭捜査官なのに
私と比べ物にならないくらい戦いは強い。


私は彼のそんなところにも惹かれているんです






もうお昼の12時。
そろそろ什造くんがおやつをねだってくる時間

私はカバンの中をあさって、チョコレートを出す。


その4、5分後……




「名無しさん〜!!

おやつくださいっ!」

「来ると思って用意しておいたよ」


遠くから走ってきた什造くんにチョコレートを手渡すと
彼は満足そうに笑った。



「名無しさん

今日の夜もお家にお邪魔しますから。」


「へっ!?」



「へっ!?

じゃないですよ!!

僕は毎日名無しさんと愛し合いたいくらいですから」


よくそんな恥ずかしいセリフを
大声で言えるなぁ、まったく…。


「あぁ、この前の夜の名無しさん…

可愛かったです。

目に涙をいっぱい溜めて………」


「わー!わーー!!わー!!!!」



什造くんはよくこうして私に意地悪してくるんです。

…でも可愛いから許してしまう




私は什造くんに甘すぎだってよく
亜門さんや篠原さんに言われるんだけど

あんなに可愛い什造くんを甘やかしてしまうのは
仕方ないことだと思う、うん!



「じゃあ名無しさん。

チョコご馳走様です!



夜が楽しみですね……?」


ビクッ

最後の言葉だけ声のトーンを下げて言うものだから
私の馬鹿な体が反応してしまった。


「…什造くんの馬鹿……」 




どうしよう、夜が楽しみかもしれない。
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