―2nd―

□不可解な公式
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「JOJO!!!!!」







「シーザー!!!!!」








 朝起きた俺達の体に生じた変化は明らかなものだった。
胸は膨らみ、下腹部にあったはずのものがない。
体つきも妙に華奢になり、髪も少しだが伸びた。
少し高めの声に、落ちた筋肉。
一体何がどうなったか分からない。

 JOJOは髪の長さがあまり変わらないが、
身体のラインにはっきりとした凹凸が浮かび上がっている。
普段の似合わない女装よりずっと美人で可愛らしいと思う。


「いや、まず落ち着け。元に戻る方法を探すのが先だ」


「え〜シーザーちゃんの大好きな女だぜ?
もうちょっと楽しもうぜ〜ほらほら〜」


 そういってJOJOは俺を煽った。
確かに外見は好みだが中身はJOJOだ。
しかも今、俺も同じように女性の風貌なのだ。


「もうちょっと真剣に考えろスカタン!修行はどうするんだ!」


 ハッとした表情をした後、JOJOはニヤリと笑った。
コイツのことだ。おそらくサボれるなどという事を考えているのだろう。


「・・・お前は此処で待っていろ。俺が先生に事情を説明してくる」


 変化を楽しむJOJOを横目に部屋を出て先生を探すと、
まるで来るのを待っていたかのようにドアの前に先生はいた。


「せ、先生・・・」


「ええ。私ですよ。女性の身体能力でも波紋を使いこなせるような強さを
身につける修行です。
昨日の食事に少々薬を混ぜておきました」

 犯人は先生だった。
まともな理由らしく俺はほっと胸を撫で下ろした。


「それにしても予想以上に可愛いですね、シーザー」


「・・・ッ」


 先生に褒められると、このままこの格好でもいいのではと思えてしまう。


「JOJOにも伝えておきなさい」


 はい、と短く返事をし、JOJOの待つ部屋へと向かった。








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