―2nd―

□緑の節約‐verde risparmio
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 話によると、JOJOはジャンクフードばかりの偏った食生活をしていたらしい。
さぞかし祖母にも注意されていたと思う。

 ハンバーガー、ピザ、コーラ、ポテト、ポップコーン、アイス・・・。
栄養価の低い食品を食べていたのにも関わらず身長は195cm。

 何はともあれジャンクフードは体には良くない。
そう思い、今日からJOJOの食事は俺が作ることにした。
アイツのためにもそれがいいと思ったからだ。

 そのために俺は食材を色々とスーパーから仕入れてきた。
奴の体格は並ではないのでかなり買い込んだ。
ちなみに今日のメニューは
トマトとバジル、豆腐のカプレーゼ。
シーフードパスタ。
後はスープ。具材は後で決めることにする。
我ながら無駄な買い物が多かったと少し反省している。
でも、奴はきっとこれだけじゃ足らず、菓子なんかも持ち込んで食べるのだろう。
その時は心を鬼にして没収することにする。
何度も言うようだが、アイツのためだからな。

「シーザーたっだいまァン」

「ああ、おかえり」

 帰って来たJOJOが、テーブルの上に並ぶ大量の品を見て驚く。
俺は冷蔵庫に入れるものはさっさと収納してしまい、ビニール袋は後で再利用出来るようにと、冷蔵庫近くのカゴの中へと放った。

「今日からジャンクフードは禁止だ、JOJO」

「マジかよーーーーッ!!」

 今まで親しんできた習慣を禁止されるのだからこの反応は予想済みだった。
予め考えていた反撃を開始する。

「俺はお前の事を心配して言ってるんだ。
お前に何かあってからじゃ怖いからな」

 俺はそう言うとJOJOは頬を赤らめながら、「そうかよ・・・」としぶしぶ了承した。
本当に単純である。








 前菜のカプレーゼの準備に取り掛かってはや5分。
元々料理が得意だったのでかなりはやく出来たほうだ。
チーズの代わりに豆腐を使うことによってカロリーも抑えた。
ソースも和風テイストにして、豆腐に合うようにし、工夫も凝らした。

「いっただっきまァーす」

 自身の前に置かれた皿に乗る料理を次々と口に放り込んでいく。
するとJOJOは急にフォークを動かしていた手を止めて言った。

「なーんか不思議な味だぜ!今まで食ったことねーけど
意外とこれ美味しいな!」

 褒められたのは久しぶりだ。
それに、JOJOに褒められると他の人に言われるよりも嬉しい。

「どんどん食えよ、パスタもあるからな」

 次々と料理を運んでいく。
自分の分までJOJOにあげていきそうな勢いだ。
茹でたてのパスタに、味付けしたシーフードを絡めた。
茹でる際にオイルを入れることによってパサつかずに済む。

 スープは、冷蔵庫の中にあった物で作った。
ほうれん草を卵で閉じ、薄く味付けした簡素なスープ。

「シーザーって料理上手なんだな〜」

 パスタを口いっぱいに含みながら感心した声をあげる。
本当に美味そうに食べるところがまた可愛い。

「まあ、よく弟達に作ってやってたからな」

 今じゃあの経験をしておいて良かったと思う。
こうやってJOJOと食卓を囲めるのだから。

「へへっ、なんかジャンクフードなんかなくても
シーザーちゃんの飯毎日食ってれば幸せかもな!」

 無邪気な顔でJOJOは笑った。
考えもなしにこうやって言うのだから、俺なんかよりもお前の方が充分タラシだけどな。

「シーザーちゃんは食わねーの?」

 料理を全て綺麗に平らげたJOJOは不思議そうに俺を見た。

「良いんだよ俺は。食ってるお前の姿見てるだけで腹一杯だからな」

「・・・っ。なんか俺ばっか色々されちゃってアレだな・・・
なんか俺にも出来ることないの?皿洗いとかさァ」

「そうだな、強いて言うなら・・・」

 JOJOの耳にふっと息を吹きかけてやるとくすぐったそうに耳を塞いだ。
小声で俺の欲をJOJOに聞かせると、赤面したJOJOは「そんなこと考えてたのかよ!?シーザーちゃんのえっち!」
と返してきた。

 こういう日常がこれからも続くのだと思うと、悪くないと思う。










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