princess

□思い人
1ページ/1ページ

嫌だ嫌だと首を振る
諦めろと叩く
ただただアレルヤはその光景を離れてみていた


「嫌だ!!俺は降りる!」
「性懲りも無くまたそんなことを言っているのかい?いいじゃないか!
姫制度最高だ・・・!!私もビリーが姫の時には和装中心に沢山衣装を作ったものだよ
ビリーはやはり着物が似合っていてね、あぁ、はかま姿も素敵だった。
でもゴスロリ衣装も似合っていたね。この世の服はビリーの為にあるようなも「いちいち煩いな。」
グラハムの話をさえぎったのはティエリアだった。
聞くに堪えないと眉間にしわを寄せて刹那の背中を叩く
「お前もだ!刹那。いい加減にしろ。」
いい加減にしろというのは姫制度になり姫に選ばれた刹那がほんの数ヶ月前までは
特に何の問題もないとばかりに姫の活動をしていたのに
いきなり嫌だとごねはじめたことをきっかけにこの紛争は始まった
「でも、刹那はなんでそんなに嫌なの?」
普通で考えれば男が女装するのだ。嫌だという言い分は正しいと思う。
しかし、いきなりということにアレルヤは疑問を持つのだ。
「今日わかるさ」

今日は学校集会の為姫が壇上に上がり皆の目を潤す、という唯端座っているだけの仕事なのだがそれでさえもいやだという

「私は君たちの為に今日特別な衣装を用意したんだけどね」
するとグラハムは目の前に大きな箱を出し
その中には黒のゴスロリ衣装・・・
「俺はこれが嫌いだ」
「そうかい?今回はラインが綺麗に見えるようにダーツを沢山入れたんだ。
パニエも慎重してね。レースを特注したんだよ
君の好きな彼に可愛いっていってもらえればいいね!」
バチコーン☆とウィンクを飛ばし刹那にぐっと親指を立てる

「・・・?え?」
好きな、。。。彼。

「刹那の思い人が今日から学校に臨時講師としてくるんだよ」
その言葉にアレルヤはあぁ、と納得する
それで姫の仕事をその彼にみせたくない為嫌がっていたのか・・・と。
そりゃあ思い人にその姿は見せたくないだろう。

「姫たち、仕事だよ」
会長のヨハンが衣装室に来て呼びにくる

あぁ、とティエリアは言い
刹那は項垂れる
アレルヤはやっと着慣れてきた衣装に手を伸ばす

「本当凄いね、これ。」
毎回思うけれど背のそれほど高くない刹那や女と見まごうティエリアは良く似合う
僕は似合っているというか衣装に着せられている、という感じだ。
ひらひらの袖で指が半分しか見えない。
膝丈はひざ上3センチ、位だろうか。
ごつごつした足が覗く

ヘッドドレスを付けていく準備をする間も刹那は仏頂面だった
「君は皇女様だよ!」
・・・いきなり何をいいだすのかと姫三人はグラハムを見る
「見たまえこのビリーを」
またビリーかと目をそらそうとすると
アレルヤは目を見張る
「綺麗!」
見せられた写真はビリーが姫時代の写真だった。
今のビリーははっきりいってグラハムよりも背が高い。
顔は美人だが身長のせいか姫だったとは考えられないのだが
写真の中のビリーはグラハムと同じ、いや少し低い位か
「本当に袴姿が女子大生のようですね・・・」
ティエリアまでもが惚れ惚れしている。
「あれ、これヨハン会長・・・」
違うページには会長の姫時代の写真、こちらはセーラー服姿、さしずめ
男子校に現れた一厘の花
「「「美人すぎるだろう・・・」」」
一喜一憂だ。

「まったく、姫たち、仕事だよ?」
いきなり後ろから会長に呼ばればっと振り向く
「・・・会長は女に生まれたほうが良かったですね・・・」
「そうだよなぁ!?そしたら俺の子供産めたのにな!」
なんてことを言うんだとヨハンが後ろにいた弟のミハエルの腹に肘鉄を食らわせる
「ぐぁっ」
床に倒れこむミハエルを無視し
「送れないようにね」
と口元を笑わせるが姫たちは背筋が凍る思いをしながら用意を済ませ、
部屋をあとにしたのだった



END

録音バースデーなのに録音出てこない!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ