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□素直になんて
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「どぅーはまーちゃんのだよ」

「ちーがーう。」

「なんで?まーちゃんもどぅーのだよ?」

「…まーちゃん、そういうのは恋人にしか言っちゃいけないんだよ?」


急に顔を俯けて足をぶらぶらさせながら、何か思案に暮れている様子のまーちゃん。

交互に揺れていた細い足が、ぴたっと動きを止める


「じゃあ、どぅーの恋人になる!」

「はぁ?」


にっこり笑って椅子から飛び降りて、勢い良く抱きついてくる


「まさ、どぅーの恋人だよ!」

「…まーちゃんさ、恋人ってどんなことするか知ってる?」

「んー…」


まーちゃんの顔が近付いてくる

キラキラした瞳に見つめられる


やばい、近い


…内心正気じゃいられないよ。だって、ハルはまーちゃんのこと本気で想ってるから。


じりじり近付いて、鼻と鼻がくっつきそうになる

まーちゃんがにやっと笑う


「わかんない!」


…やっぱり。もう、慣れたし。元より期待なんてしてない。


「だからね」

「ん」

「どぅー。教えて?」


首を傾げるとサイドで高く束ねられた髪がふんわりと揺れる

やっぱまーちゃんも女の子だなあ


「ねーえ、聞いてる?」


額をぺちっと小突かれて我に返る


「ごめんごめん。でもさ、本気で言ってる?」


黙ってこくこくと頷く。

これまでの経験から言おう、ここですんなりと信用すると痛い目を見る。今まで何回まーちゃんに恥をかかされたか…。

でも信じてみたい。ここまでやってきたんだ、何かあったからって簡単にどうにかなるような仲じゃない。 まーどぅー最強だし。

よし、今回ばかりはまーちゃんの気まぐれに付き合ってあげるとしよう。…って毎回どこかで妥協してる自分がいることには、気付かないふりをしておく。


「んじゃあさ、ハルと約束して」

「やくそく?」

「うん。二つだけ約束。まず、他の人にハルと恋人ってことを絶対に言わないこと。10期にもだよ?」


まーちゃんが大袈裟に深ーく頷く


「二つ目は、まーとハルが恋人っぽいことしていいのは二人きりのときだけ。皆がいるときは今まで通りだよ」

「わかった!」


ガタっと立ち上がってハルのほっぺにキスするまーちゃん


「あ、あとそれ、他の人にやらないこと!いいね!」

「三つじゃん!」


何が面白いのか理解しかねるけど、楽しそうに笑いながらどこかへ走っていくまーちゃん

こんなんで大丈夫かな…
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