青春

□2話
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「明日からインターハイ予選……」

大事な試合の前日には、やっぱり毎回緊張する。

試合前の最後の練習を終えた私は、荷物をしまい部室をでた。

外に出るとまだ明るく太陽は出ていて、雲ひとつない嫌なほどの快晴だった。

まだ6月の上旬だというのに太陽はもう夏のようにジリジリと暑く私たちを照らしている。

遠くのほうから女子の黄色い声援が聞こえた。

どうやら男子バレー部の体育館のほうからのようだった。

青城の男子バレー部は県でも有名な強豪校だから、体育館も男子バレー部専用の大きな体育館がある。

体育館の周りや中には青城の制服の女子はもちろん他高の制服の女子もたくさんいた。

バレー部にそんなモテる人がいたんだ。

誰なのか気になって帰りにその体育館を覗いてみた。

体育館の扉から少し顔を出してみる。

女子に囲まれていてあまりはっきりとは見えない。

白に淡い緑のラインの入った男子バレー部のジャージを着た、茶色い髪の人。
どこかでみたことあるような気がするけど、誰だっけ。

あ、新歓の部活紹介のときに凄いサーブ打ってた主将だ。

たしかあのときも、主将への声援が凄かったっけ。

名前は……さすがにそこまでは思い出せない。

主将を取り囲んでいた女子のうちの1人が、バックからなにか可愛い袋を取り出して主将に渡した。

「及川先輩、私クッキー作ってきました!もし良かったら食べてください!!」

そうだ、及川先輩だ。

まわりの女子たちも、先を越されまいと次々に及川先輩にいろんなものを渡す。

チョコやカップケーキなどいろんなお菓子の人が多かった。

「みんなありがとう!全部大切にするからね。」

笑顔で手いっぱいにプレゼントを抱えていた。

及川先輩って、すごい人気なんだ。

明日のためにもそろそろ帰ろうと体育館から離れようとしたときだった。
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