青春
□1話
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「そっか……もうこれからバレーできないのか。」
言いたいこと何も言えずに、やりたいこと何もできずにずっと今まで生きてきた。
唯一の楽しみだったバレーもできなかくなってこれからどうしたらいいのかな。
病院の帰り道、曇り空を見上げながら呟いた。
「1年6組小宮美瑠です。よろしくお願いします!」
青葉城西高校の1年生、小宮美瑠は青城の女子バレー部の期待の新人とよばれていた。
そして、バレー部に入部してすぐに1年生で唯一レギュラーとして試合に出場するようになった。
そんな美瑠のことを2、3年生はよく思わなかった。
ずっとバレーが大好きだった。
私にとってバレーは、なくてはならない存在で私の一部のようなものだったから。
「今日から小宮は2、3年生のほうに入って練習して。」
監督にそう言われた頃からだろうか……
「はい!」
今まで1年生と2、3年生は別々の練習だったのに先輩たちと一緒に練習できるんだ。
1年生で先輩と練習するの私だけだけど頑張らないと。
自然と口元がゆるむ。
でも、そんなのは一瞬で消えた。
コートに入ってすぐに先輩たちの視線を感じた。
それは、仲間としてでもライバルとしてでもない、憎悪の視線だった。
この頃からだろうか、バレーを楽しいと思わなくなったのは……