しょうせつ

□【米】征服(裏)
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彼女の軍服の前ボタンを力任せに引き千切り、白く形の良い胸を露わにする。

君はがいつも自慢にしていた長い美しい髪はさっき俺が切り落とした。
普段とは違うショートヘアの君は憎悪を込めたその赤い瞳で俺を睨みつけている。


誇り高い軍事国である君を「奪う」には、これが1番だ。
忘れられないぐらいの屈辱を与えて、プライドも何もかもも破壊して粉々にする。


「抵抗しないのかい?」
「…疲れてるの」

ああ、やっぱり君は思っていたよりはるかに賢いみたいだ。

今泣き叫んだとしてもそれは俺をより興奮させるだけだ。
まあそれに、本当に抵抗できる余力なんてもう無いのかもしれないけどね。

「!」

君の華奢な体を見て改めて気がつく。

小さく細い体を赤く彩る、大きく深い傷。
俺なんかとは比べ物にならないくらい戦争を繰り返し傷ついてきた証拠だ。

「平和でつまんないどーでもいい国に見えたでしょうね…でも私あの国好きだったのよ…」


でもだめなんだ。

君と俺は戦争をした。
君は俺に負けた。

もうどうしようもないんだよ。


「…泣いてるのかい?」
「は、んなわけ……」


君の頬をつたう一筋の涙。

ちがうんだ、俺は君にそんか顔をしてほしかったんじゃない。


ただ、君に言いたかっただけなんだ。
でも、君は俺なんか見向きもしなかった。

「どう、だい?アーサーよりはうまいだろ…?」
「……っ!あ、あー…さ、っ……」



君が悪いんだ。
君が俺じゃなくて彼を選んだから。






愛してる、名無しさん。

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