小説(陸奥狛彦×蛍)
□酔いしれて・・・
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「酔いしれて・・・」
まだ夜明家は寒い・・・。春が近いとはいえ薄いかけ布団では身震いしてしまう。
「・・・蛍」
狛彦は、隣に寝ているはずの蛍の名を呼んだ。
返事が返ってこない。
「どこに行ったんだ?」
ゆっくりと起き上がり、髪を束ね上げる。
すると―
ガラガラ・・・・
「あ、狛、起きてたんだ」
「・・・・・」
狛彦はあっけにとられて、そちらを見た。
「お前・・・そんな薄着のまま外に出ていたのか?」
「うん!少し散歩したくて。全然寒くなかった」
「・・・嘘をつけ」
「嘘じゃな・・・は・・・ハックショ!!」
「ほら・・・風邪をひくぞ」
狛彦は、蛍の身体を抱き寄せる。
ひんやりと冷たい感触―。
「まったく・・・なにもこんな寒い中散歩に行くことなかろう」
「だって・・・まだ星が出ていて綺麗だったんだもの」
「それでも風邪をひいては元も子もないぞ」
「ん・・・」
蛍はそっと狛彦の胸に顔を埋める。
「あったかいな・・・」
「―」
狛彦はフッと小さく笑い、蛍の身体を抱き上げると、薄い布団の上にそっと倒した。
「こ・・・ま////」
「温めてやる」
そのまま唇を重ねて、長く柔らかな黒髪を優しく撫でる。
「ん・・・ふぅ・・・」
だんだんと火照っていく蛍の肌・・・狛彦は唇をそっと離すと、彼女の着ている薄いきものをゆっくりとはだけさせていった。