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□甘い解答
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「名前ー、帰るべー!」
「うん!みんな、待たねー!」
教室でお喋りしてたみんなに、ばいばいを告げ、廊下に立つ菅原先輩の元へと小走りで駆け寄る
もう付き合って半年くらいになるが、少し恥ずかしいような嬉しいような感情になる
「勉強する場所は、俺んちでもいい?」
「え!あ!はい!」
す、すすす、菅原先輩のお家‼︎
まだ、行ったことのないお家‼︎
どうしよう…心の準備が←
親の人にきちんと挨拶しなければ…
はっ!私、このカッコで大丈夫かな!
勉強するだけだ!落ちつけ!私!
***
ついに来てしまった…
菅原とゆう、表札が目に入った
「入って」
「お、お邪魔します」
「今、親いないから、そんな固くならなくて大丈夫!」
「あ!そうなんですか!」
いや…待てよ
親が居ない=進展が…
いかんいかん!何を考えてるんだ!
悶々とする私は、菅原先輩の後をついていく
二階に上がって、少し先の扉を開けると、爽やかな男の子のお部屋だった
「お部屋、綺麗ですね」
「実は、こんなこともあろうかと部屋、掃除しておいたんだ」
「ぷっ、可愛いですね」
少し恥ずかしそうに笑う菅原先輩を見て、私もクスッと笑った
少し緊張がほぐれた気がした
「ここ座っていいよ。で、どこが分からないの?」
「えーっと…」
本当、勉強教えるの上手だなぁ…
スラスラと問題が解けてゆく
ふと、教科書を眺めている菅原先輩の顔を見る
まつ毛、長いなぁ…
涙ボクロ、可愛いなぁ…
すると、前を向いた菅原先輩と目が合う
「どうした?休憩でもする?」
「っ、はい」
びっくりした…、見てたの気づかれたかな…
教科書を一旦しまって、持ってきてくれたお茶を飲む