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□おめでとうとプレゼント
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「ねぇジープ、プレゼントは何あげるの?」

『秘密だ』

「えぇ〜!」



明日はハートの海賊団船長トラファルガー・ローの誕生日

船員たちが密やかに宴の準備を進めている中、ベポは冒頭の台詞をローの恋人であるジープへ告げた



「おれも教えるから!」

『ベポしつけぇ』

「スイマセン…」

「「打たれ弱っ!!」」



打たれ弱いベポにお決まりの台詞で登場したのはペンギンとシャチ

ジープは『よぉ』と軽く手を上げた



「何の話をしてたんだ?」

「船長がどうとかって聞こえてきたけど、ジープ何かやらかしたんじゃねーだろーな!」

『違う黙れ顔面厨二、ベポが船長の誕生日プレゼントは何だってしつけぇ』

「あぁ、そういうこ…顔面厨二ってなにっ!?」



ジープはあまりのしつこさ(2回しか聞かれてないが)に苛立ちを全面に現し、その場から去った








―――――――









『…はぁ』




ジープは自室のベッドに倒れこんで深く溜め息を吐いていた

原因は明日に迫ったローの誕生日



『あー…頭が痛ぇ』



トレードマークのニット帽を取り払えば無骨ながらも端整な顔が現れる

その表情はあまりにも不機嫌

自分のでなくとも、誕生日というのは祝福すべきものであり、ましてや己の恋人の誕生日といえばもっと喜ぶものだろう

それが何故、こうも不快なまでに表情を歪めているのか…



『こんなモン、どんなツラして渡せってんだ…』



ベッドサイドの棚に置かれているジープが必死に選んだプレゼント

用意できたは良いが、今まで恋愛というものをした事のなかったジープにとってこういった行為はなれないものだった


勿論、女の経験がないわけではない


人を愛したのが、初めての経験なのだった



『…クソ』



ジープはプレゼントを棚の中に仕舞い、タバコを手に取り火を点けた

大きく吸い込み深く紫煙を吐き出す

やり場のない思いを一緒に吐き出してしまえたらどんなに楽なのだろうか、そう思いながらもう一口吸おうとした時…



コンコン



「ジープ、居るか?」



控えめなノック、ついで聞こえたのは先ほど別れたばかりのペンギン

苛立ちがぶり返る思いを抱きながらもニット帽を被り直しドアを開けた



『何の用だ』

「さっきのお前の様子が気になって」

『放って置け』

「そう邪険にしてくれるなよ、プレゼント云々の事は聞かない…何か悩んでるなら話してみないか?」

『…』

「何を聞いても驚きはしても笑ったり誰かにバラしたりしない、おれの口の堅さはダイアモンド並だぞ」



ニット帽の下で眉間に皺を寄せて数秒悩んだ末



『入ってくれ』

「あぁ」



ペンギンを部屋に招いた




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