本棚
□切実なる願い
1ページ/3ページ
Side.シャチ
「ジープ…」
『何だ、ロー』
「ぅ、うまい、か…?」
『当然だ。ローが愛情を込めて作ってくれたんだ、愛の塊が不味いわけはない』
「…っ!!」
あーあーあーあーはいはいはいはいはい
おはよういつもの朝だな
そりゃ不味いわけねぇよ、ただの
おにぎりだしね
中身と塩加減さえ失敗しなきゃ塩で米固めただけの料理(?)だしね
形が崩れてようが関係ないしね
『それにしてもその新しいエプロンよく似合うな。流石、俺の嫁』
「そ、それこそ当然だ!…ジープが、選んでくれたんだから、な」
『いやいや、俺のセンスよりローのスタイルの良さとイケメンさと新妻的な雰囲気が在ってこそだ。流石、俺の、嫁』
「ジープ…ッ(キュウウゥゥウゥンvV)」
いやいや、オカシイオカシイ
船長は男、ジープも男
何で船長が嫁?
しかも否定しないWhy?なぜ?
つーか船長(キュウウゥゥウゥンvV)じゃねーッスよ乙女か、改めオトメンか
てかジープも2回も言わなくていいよその"俺の嫁宣言"
毎朝聞かされて…いや、昼夜問わず聞かされて正直ウゼェ
よく知ってるよ、誰も船長に手ぇ出そう何て思わねぇよ怖いもん
「なぁ、ジープ…」
『こらこら、ここは食堂だぞ、夜まで待てよ。欠片も残さず食ってやるからな』
「…んー、じゃあキスしろ、それで我慢してやる」
『喜んで』
どーせ
どーーーーせ
どーーーーーーーーせ昼夜関係ないんだから?
さっさと部屋行きやがれこのバカップル共
(て、言えれば良いのになぁ…)
(言ったら即バラされるぞ)
(わかってるよ、でもよぉ・・・毎朝あんなの見せ付けられたら、おれそのうち胃に穴が開いちまうよ)
(今日も仲良いね、ジープと船長)
(仲良いってレベル超えてるけどな)
(はぁ〜〜〜、切実にあの2人に自重してほしい)
((無理だろ/でしょ))
(ですよねぇ…)
.